コラム

割安なのには意味がある

最近、ライザップの赤字転落が話題になっています。当初の予想は営業利益230億円だったのに、一転して△33億円の下方修正です。

なぜこれほどまで悪化したのか? 理由は2つです。

1つはM&Aの凍結です。前期の営業利益135億円のうち52億円(営業利益の40%)は、M&Aによるものでした。これは割安購入益(負ののれん)と呼ばれるものです。簡単に説明すると、『10億円の会社を8億円で買えたので2億円利益がでた』という話です。

 当初予想の営業利益には、今期買収する先の割安購入益を見込んでいたのでしょう。それが無くなったことで業績が下がったと思われます。

もう1つは、M&Aで買収した会社の業績が予想を大きく下回ったことです。会社を割安で購入できるということは、言ってみればそれだけ再生に時間もお金もかかるということです。

これは不動産に置き換えてみればわかります。10億円の価値があるビルなら、普通は10億円で売るはずです。しかし、近いうちに修繕に2億円かかるとしたら、8億円で売ることもあります。

会社の場合、そこまで単純な話ではありませんが、基本は同じです。割安なのには必ず意味があります。 

もちろん、ライザップは割安分を、まるまるコストや投資にかける気はなかったでしょう。自社の経営ノウハウや他のグループ会社とのシナジー効果で、再生できると見込んで買収したはずです。

その見込み違いが、今期の数字に大きく跳ね返ってきたようです。

昔、ヤクルトの野村克也監督は、伸び悩む選手や他球団で戦力外となった選手を再生し、「野村再生工場」とも呼ばれていました。ライザップがそうなるかどうかは、これからが勝負です。

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