9つの事例

当事務所のプロジェクト支援の内容を、20年に渡る多数のプロジェクトをもとにして、9つのよくあるとしてまとめました。

システム導入を最短最安で!

ケース1 見積6億円のシステムを2億円に!

(プロローグ)

A社は事業成長の過程で、部門ごとにシステムをバラバラに作成している。社内では事あるごとにシステム統合の話が出るが、出ては消え、出ては消えを繰り返していた。

しかし何年もしないで、業務の非効率が目に余るようになってきた。もはや一刻の猶予もない。経営陣は、今度こそシステム統合をやり切ることを決意する。

業者に依頼して業務要件の調査を行った。しかし、そこで出てきた次期システムの見積金額を取ったところ、なんと金額は6億円。会社の予想をはるかに上回る金額であった。

(問題の所在)

6億円の見積内容は、パッケージ20%・スクラッチ開発80%のシステム構成で、稼働を3段階に分けていた。全面稼働まで2年半かかる導入スケジュールだ。

また業務要件のレポートを読んでわかったことは、A社の業種がニッチで、A社が求める機能をすべて満たすような汎用パッケージは存在しないということだ。開発比率が高くなるのも頷ける。

(支援の成果)

パッケージには業種専用ではなく、特定業務に特化した製品もある。A社の場合、業務単位で異なる複数のパッケージを組み合わせると、開発比率を大幅に減らせそうだ。

業務要件を一部見直し、パッケージ中心のシステム構想にして、開発を大幅に減らした。見積金額は2億円以下に収まり、当初の金額から4億円(▲67%)も削減することができた。

さらに導入期間も1年短縮でき、今、A社のシステムは問題なく稼働している。

 

ケース2 16年超えの基幹システムを刷新

(プロローグ)

B社の基幹システムは16年前に構築されたが、度重なる改修でブラックボックス化していた。今では稼働が不安定で、必要な機能追加もできない。成長の足かせとなっている。

しかし、経営陣は基幹システムの刷新を、躊躇していた。前回の悪夢が蘇るからだ。

16年前、今の基幹システムが本稼働すると、現場で重大なトラブルが頻出。終息に2年費やし、初期投資額を超える追加コストがかかったからだ。

(問題の所在)

情報システム部の仕事は、基幹システムと社員PCの保守がメインだ。16年前のシステム構築経験者は一人だけで、大半がプロジェクト未経験者だ。

どこから、どうやって、手を付けていけば良いのか、わからない。でも前回の悪夢から、経営陣はベンダーには「丸投げしたくない」と強く思っている。

(支援の成果)

ベンダーやパッケージ製品が先にありきの進め方は、システム導入の失敗リスクが高い。それらを選ぶ前に、会社自らがシステム構想を考えることが大事だ。

会社のプロジェクトメンバーと一緒に、システム構想を8ステップで作った。手順と課題を明確にしてプロジェクトを導く。

次期システム方針書があれば、選定も迷わない。何ができ何ができないかが明確だからだ。1年後・・・B社は新システムの本稼働を迎える。

もちろんトラブルがまったく無かったわけではない。しかし、前回の悪夢を知る人は、大成功だと思ってくれたに違いない。

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ケース3 海外ERPから強制離脱!120日戦争

(プロローグ)

C社は親会社の事業ポートフォリオの見直しにより、企業グループから離脱した。資本関係が無くなるので、親会社が契約している海外ERPを利用できなくなった。

残された猶予は120日。超短期の会計・人事給与システムのリプレイスが始まる。

(問題の所在)

中堅企業の会計・人事給与システムの導入期間は、通常、選定3か月・導入9か月、合わせて1年だ。それを4か月でやらなければならない。

導入期間が短いと、本稼働が間に合わなかったり、テスト不足で稼働後にエラーが発生する恐れがある。特に給与や業者への支払いに問題があってはならない。

ほかにも基幹システムと新システムとの連携、過去データの保存(期日を過ぎれば参照できない)など、課題は多い。

(支援の成果)

会計・人事給与の市販パッケージには、規模や機能で区分けできる「クラス」がある。C社に合う最適なパッケージを数社選び出し、ベンダーの短期導入協力体制を見極め、たった3週間で発注した。

導入で最も時間がかかるのは、パッケージの機能・設定項目を理解し、初期設定の内容・登録マスタを確定すること。こちらでたたき台を作成し、短期集中でやり切った。

作業時間は給与計算・債務管理に重点的に配分。稼働後にできる部分はすべて後回しにした。非常にタイトな120日間であったが、無事離脱することができた。

 

業績向上につながる施策を打つ

ケース4 管理改革で業務時間を46%削減

(プロローグ)

D社とE社はさらなる成長を図るため、対等合併をした。しかし準備期間が短かったため、業務やシステムを統合していない。月次決算は2つの会計システムの数字を合算しなければならず、経費精算や伝票処理の流れも事業部によって異なる。合併効果を早く得るためには、業務の一元化とシステム統合が喫緊の課題だった。

(問題の所在)

売上高や社員数だけを見れば、D社もE社も中堅企業だ。しかし管理体制だけは中小企業から変わっていない。管理部が営業事務から購買事務まで社内事務を一手に引き受けていた。また社内の申請書類や伝票は、大半が紙・EXCELで電子化されていなかった。合併でさらに企業規模が大きくなった今、単純な業務・システム統合ではなく、中堅企業に相応しい仕組みが求められている。

(支援の成果)

中堅企業は中小企業と違い、社員数や取引量が圧倒的に多い。事務の一極集中は非効率だ。まず社内の意識改革と業務分掌・権限の見直しを図った。その上で、過干渉・過剰になっていた業務を見直してスリム化。ワークフローを導入し、各種申請・経費精算を電子化する形で一元化した。並行して、会計システムを統合し、基幹システムとの連携も行う。すべて終えるのに1年かかったが、この改革で管理部の業務時間を半減できた。

 

ケース5 固定費削減!新・予算管理で結果を出す

(プロローグ)

F社はここ数年、売上の減少が続いている。経営安定化のためにも、固定費削減は急務だ。社長が部門別予算実績管理の数字を見て、各部門長に固定費削減のゲキを飛ばすが、成果は一向に上がらない。どうすれば部門固定費を下げられるか? 経営企画部は模索している。

(問題の所在)

F社の部門別損益計算書は、各部門の費用負担を正しくする目的で、毎月何十種類も部門間の費用配賦や付け替えを経理部で行われていた。そのため部門長は自部門で発生する純粋な固定費を、よくわかっていなかった。さらに部門固定費を多少削っても、他部門から費用配賦があると、その成果は吹き飛ぶ。努力が報われない。

(支援の成果)

部門長向けに、部門別予算管理を3点改良した。1点目は、部門間の費用配賦や付替えしていない数字を使った。費用を抑える責任は承認者にある。発生ベースの数字で削減を努力してもらう。2点目は、固定予算から変動予算への切り替え。変動費は売上に比例する。変動後の数字で成果を測った。3点目は、投資予算と経費予算の分別。投資と経費が一緒だと、必要な投資を削って経費の帳尻あわせができるので、それを防ぐ。新しい予算管理が社内に浸透すると、目に見えて結果が数字に現れてきた。経営企画部長からは今でも「この仕組みは会社の財産です」という言葉をいただく。

 

ケース6 原価計算を変えて稼ぐ力を取り戻す

(プロローグ)

G社は社歴が50年以上ある製造業だ。当初は少品種大量生産であったが、近年は製品の多様化で、多品種少量生産である。そんな中、営業部は自社の品種別原価に疑念を抱いていた。「競合他社と比べると、産業機械向けの販売価格は圧倒的に安く、自動車部品向けの販売価格は明らかに高い。果たして当社の原価は本当に正しいのか?」

(問題の所在)

G社の原価計算の仕組みは、数十年前から何も変わっていなかった。作業の主体が人から機械に移り、生産形態が少品種から多品種に変わったにも関わらず、昔のままだ。原価計算の精度が落ちて、製品原価が狂っている可能性がある。また品種を意識した原価計算になっていないので、品種別の採算を把握できていなかった。

(支援の成果)

原価計算を1年かけて一から再構築した。特に少品種から多品種になると、段取り替えが重要になる。作業時間を段取と加工に分けて集計し、配分する仕組みに変えた。また変動費と固定費を品種別に集計。限界利益や操業度差異を把握し、品種別採算を見える化した。正しい原価や利益がわかると、早速、G社はそれまでの品種戦略や値決めを大きく見直した。今では、過去最高の利益を上げ、営業は自社の販売価格に自信をもって売っている。

 

ヘルプ!業務の緊急トラブルを解決

ケース7 在庫を確定できず、月次決算が乱高下

(プロローグ)

H社はファブレスメーカーで、製品開発と販売が主たる業務だ。年度初めに新基幹システムを稼働させた。しかし半年以上たってもシステムは安定せず、業務の混乱が続く。特に酷いのが在庫だ。在庫管理システムの月末在庫が狂っていて、月次決算の利益が毎月激しく乱高下しているのだ。現場は狂う要因が多すぎて、解決の糸口をまったく見い出せずにいた。

(問題の所在)

在庫管理の入庫には2つの方式がある。1つは発注検品方式。事前に発注した商品しか検品しない。もう1つは投込検品方式。発注の有無に関わらず商品を検品する。前者が一般的だが、商品の種類や入荷数が多い小売業などは、後者でないと実務が回らない。H社の実態は後者だったのに、発注検品方式の在庫管理システムを導入したため、業務が破たんしていた。

(支援の成果)

今さら、在庫管理システムは変更できない。業務を正常化するためには、現場を発注検品方式に近付けるしかない。在庫管理システムから物流倉庫システムに流す発注データを、H社の発注データではなく、受託工場の出荷データに切り替えた。また得意先からの返品は、物流倉庫システムで入庫処理した後、販売管理システムに返品データを流した。さらに倉庫間の異動や分納など、様々な運用ルールをつくる。在庫管理システムに、商品の受け払いが正しく反映する仕組みができて、ようやく事態は収拾した。

 

ケース8 上場目指し、月次決算を10日間も早期化

(プロローグ)

I社は上場を目指し、証券会社や監査法人の指導の下、内部体制を構築中だ。しかし問題が一つあった。毎月25日に開催している取締役会を、10~15日にするように証券会社から言われているのだ。そのためには、今20日前後に締まる月次決算を、7~10日で締めなければならない。決算早期化が急務となった。

(問題の所在)

I社は複数の事業を営み、事業ごとに異なる基幹システムを使っている。それもあり企業規模の割には会計仕訳の手入力が多く、自動仕訳が少なかった。また業務プロセスにも問題を抱えている。総じて会計処理への取り掛かりが遅い。特に購買業務は、翌月に仕入先の請求書が届いてから、仕入処理を行っている。1通でも請求書が来ないと、決算が締められない状態だ。

(支援の成果)

会計仕訳には5大仕訳がある。売上・仕入・入金・支払・経費だ。販売管理と債権管理をシステム連携したり、経費精算用に新たにワークフローを導入したりして、自動仕訳率を54%から87%まで向上させた。仕入業務は請求ベースから、発注データを活用した納品ベースの処理に改め、当月中の仕入処理を実現した。ほかにも仮仕訳の設定、債権の入金・消込の分離などの対策を講じ、月次決算を10日以上早期化、I社は1年後上場を果たした。

 

ケース9 連結決算担当者が退社、どうする決算!

(プロローグ)

連結決算は経理の中でも特に専門性が高い。大企業でも担当者は少人数が普通だ。実質たった一人、という上場会社も少なくない。まさしくJ社もそうだった。年度決算の期末直前、唯一の担当者が病気を理由に退社する。海外含めグループ会社は10社、連結システムは使わずExcelだけで作成している。果たして、J社は連結決算を発表できるのか?

(問題の所在)

連結作業は属人的になりやすい。たとえ過去データがあっても、第三者が作業内容や手順を読み解くのは大変だ。しかもJ社は頻繁に、子会社株式の売買や組織再編を繰り返していた。Excelには過去の資本連結仕訳の記載がなく、あるのは最終結果の仕訳だけ。資本移動の連結簿価を正しく把握できず、監査が通らない恐れがある。

(支援の成果)

J社の経理担当者を2名確保。1名は子会社決算・内部取引のとりまとめ。もう1名は資本連結の解析に当たらせた。時間は無いが、10年分の資料を紐解いて、今の資本連結にいたる内訳を調べる。連結作業は、監査上問題無い範囲で、重要性のない連結仕訳を極力減らした。内部取引や債権債務の消去、連結CFは為替換算差を自動調整する仕組みを整えた。改善された連結Excel表は、会社の連結作業だけでなく監査法人の作業も減らす。J社は無事に連結決算を発表することができた。