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2016.12.21  第三者目線のおかげで、問題点がうまくあぶり出された。 【アイ・グリッド・ソリューションズ様】

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ様

 お客様のコスト削減をサポートする企業として2004年に設立。2015年11月に社名を「環境経営戦略総研」から「アイ・グリッド・ソリューションズ」に変更、電気やガスなどのエネルギーが「商品」となる世界的な潮流に合わせて新サービスを展開している。単なる省エネを超え、オペレーションやビジネスモデルの工夫で収益にまでつなげる提案力が特長。今後も変化に即した柔軟性の高い企業をめざしている。 > Webサイト

 

お話を伺った方々:

常務取締役 管理部長 松田拓也 様

管理部 財務課 課長 高澤くるみ 様

 

 

中小企業の会計から、株式上場に耐えうる会計へ。ステップアップのための的確なアドバイザーが欲しかった。

-2010年から弊社の株式上場支援コンサルティングを継続されています。長くおつき合いいただいている理由はどこにあるのでしょうか。

 

松田拓也さん(以下、松田):ちょうど弊社の株式上場準備が始まった頃からお付き合いいただいています。普通の中小企業の会計から上場に耐えうる一段上の会計へステップアップしなければいけない段階で、的確なアドバイスをくれる専門家が欲しいと考えていました。

 

 実は昔、弊社の業績が悪化して人が離れてしまった時期があったんです。その中でも中川さんは何か相談すると必ず親身に聞いてくださった。傾聴力があって、話しているうちに問題点が整理されたり、対応策を思いついたり、いつもヒントをいただいていたんです。

 

 一時期契約が切れてしまったんですが、業績回復後に「やっぱり中川さんにお願いしよう」と契約を再開して今に至ります。

 

 

-2016年2月からは6カ月間、決算早期化コンサルティングも並行しました。

 

松田: 業績が悪化した時期に経理の業務フローを最小化してコンパクトに回せるようにして対応していました。しかし業績が回復し、新規事業も順調に立ち上がり業務量が飛躍的に増え始めてきました。さらに従来は月末の締日のあと約20営業日で月次決算を完了させていましたが、上場準備のためにはそれを10営業日に短縮しなければいけません。そのような背景からもっと根本的な解決策が必要でした。

 

 最初は関連図書を買い漁って勉強したりセミナーに参加したりして自分なりに問題点を整理していて、そろそろ本格的に着手しようと考えたタイミングで中川さんの著書『お金をドブに捨てないシステム開発の教科書』(技術評論社)を献本いただいたんです。

 

 本には、システム開発のカギは要件定義を始める前にあり、もっと上流で業務内容を整理するプロセスが不可欠だとあります。システム開発の話を主眼とするものの、読んでみてこれは私たちが取り組もうとしている会計処理の課題とまったく同じだと思いました。

 

 私たちがめざしたのは単なる業務短縮化というより、今後、業容や規模が変わっても対応できる新たな経理フローの構築です。システムに任せる前に経理自身が考え、現状を把握し、自分たちで変えていける体質を作らなければいけない。その狙いと中川さんの考えがぴったりだったので、本をいただいてすぐ決算早期化コンサルをお願いしました。

 

 私たちが欲しいのはシステムではなく、仕組みです。中川さんはシステム開発に詳しい方ですが、今回こちらの意図を汲んだアドバイスをくださいました。

 

 

外部にいる第三者だから伝えられることがある。ヒアリングを重ねて、改善がスムーズに浸透していった。

-6カ月間、どんな目標で決算早期化を進めていったのでしょう。

 

松田:大きな目標は、20営業日かかっていた月次決算業務を10営業日に短縮すること。それもシステム導入によるのではなく、まず人が関わる業務フローから見直し、無駄な工数を省いて効率化する方法をとりました。もちろん将来的に業務量が増えればシステムに頼る局面が来ると思います。しかし、経理情報がどんな仕組みで流れていくのか、社員が把握しなければ効果的なシステムは組めません。そのためにも今回は「人の手にかかる部分」を徹底的に見直そうと考えました。

 

 

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高澤くるみさん(以下、高澤):経理の現場では何が重くて月次が遅くなっているのか、はっきり認識していませんでした。1カ月間必死に作業して、完了したらすぐ次月処理のくり返しです。そんなときに決算早期化プロジェクトが始まり、中川さんから宿題が出ました。現状1カ月で入れている仕訳の数、手動・自動で入れている数の把握と、1カ月のうち上・中・下旬のどこに負荷がかかっているのか調べるというものです。

 

 これまでそんな観点で自分の業務を見たことがありませんでした。でも調べてみると、体感でしかなかった忙しさが「月末に仕訳の山がある」「ここの負荷が重かった」と見える化されて驚きました。業務が集中している場所がわかれば対策が立てられます。1つ1つ中川さんと相談しながら、動きの無駄をつぶしていきました。

 

松田:経理担当者というのは根が真面目で、決められたことをきっちりやる。彼女もそうです。しかし何かを変えるとなると保守的になってしまう。指示すれば言われたことはやってくれますが、結局は受け身なのでそこで思考停止してしまいます。

 

 それを主体的な取り組みに変えるためには刺激が必要で、中川さんにはその役割もお任せしました。第三者である中川さんが旗を振ってくれるとみんなが受け入れやすい。会計士の知識、ファシリテーターとしてのスキル、状況把握能力、人柄を含めて、非常に重要な存在になったと思います。

 

 

-通常業務が忙しい中、新たな課題に取り組むのは大変ではありませんでしたか。

 

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高澤:毎日とても忙しかったので、宿題をもらったときは正直「面倒だな」という気持ちはありました。でもヒアリングで業務を書き出したり、フローの矢印を「こっちに飛ばそう」「これは省ける」と入れ替えたりするうちに考え方が変わってきました。

 

「今まで普通だと思い込んでいた業務は、実は必要ないかもしれない」と気づけるようになったんです。最初は削れなくても理論的に説明を受ければ不要の理由がわかります。取り組んで2、3カ月すると業務の白黒がつくようになりました。

 

 それに、経理業務は他部署から流れてきたデータの結果です。問題をたどると経理以前のプロセスで改善できるものや、双方で工夫すると乗り越えられる課題が見つかりました。自分たちだけではなく全体の効率化が図れると実感したとき、このプロジェクトは会社にとって不可欠だと納得しました。

 

 

行動が成功に結びつき柔軟な思考が身についた。どんな変化でも自分たちで対応できる自信に。

-決算早期化プロジェクトが完了して、得られた効果や学びはありましたか。

 

松田:まず10営業日に短縮するという目標は達成できました。これで経営陣は前月実績に基づいた経営判断をしたり、必要な施策を早めに立てられます。またフローを改善して業務の質が変わったと感じます。休日やイベントなどを挟んで提出日が遅れたとしても、ギリギリの状態ではなく余裕を持った業務として取り組める。全体的な負荷が軽減した実感があります。

 

高澤:経理情報の捉え方もずいぶん変わりました。今までは確定した数値が最善だと思っていましたが、経営面ではスピードを重視した概算値が役立つ場合がある。会計士の視点から何度も解説してくださって「必ずしも確定数値にこだわらなくてよい」と考えられるようになったのは大きいです。

 

松田:今回のコンサルでは経理と周辺業務のあり方を全社で議論できました。今後に活用できる、自分たちで考えて動ける基礎力がついたと思います。

 

(2016年11月8日取材/インタビューライター 丘村奈央子)

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