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2015.02.25  システム運用段階の失敗と要因

 システムは構築して終わりではありません。稼働後にシステムを継続して運用・改善していく必要があります。特に新機能が多く搭載された新システムの場合は、実際の業務で使いながら一定水準に達するまで定期的に機能改善・強化のバージョンアップをしていくことになります。

 

システム運用時の失敗事象

 それでは、運用段階のシステムの失敗と要因について考えていきましょう。運用とは、システムを安定的に稼働・維持させることです。システムが突然止まってしまえば、システムを利用中の社内は大混乱します。

 

 短時間でシステムを復旧できれば、それほど大きな問題にはなりませんが、長い間メインシステムが復旧できない場合は業務への影響は甚大です。もし個人や外部取引先も利用するBtoCやBtoBの基幹システムが長期間の稼働不可能状態に陥ったら、企業の存続に関わる一大事です。ゆえに、通常のシステムメンテナンスによらない予期せぬシステムダウンは、絶対に避けなければなりません。

 

システム運用時の失敗要因

 システムダウンの主な原因は3つです。“ハード故障”、システム管理者やユーザーによる“操作ミス”、システム内に潜在していた“バグ”の発現です。

 

 “ハード故障”は物理的な障害です。サーバーやハブなどの製品の故障は致し方がないことです。ハード故障によるシステムダウンを防いで稼働を安定化させるためには、システム機器を「冗長構成」にすることです。システム設備の二重化です。

 

 仮に1台のサーバーに故障が発生しても、複数台のサーバー群で分散処理を行う冗長構成であれば、別サーバーで処理を継続することができるので、システムダウンを回避できます。二重化するのでコストはかかりますが、基盤となる重要なシステムならば検討したい対策です。また、冗長化とまでいかなくても万が一システムダウンした際に、短時間で復旧できるバックアップの仕組みを構築しておくことも有力な対策です。

 

 “操作ミス”は人為的なミスです。ユーザーの通常使用の状況下では、特に誤入力や誤操作は頻繁に起こります。運用マニュアルの整備や担当者への教育研修だけでは、これを完全に防ぐことはできません。ゆえに、あらかじめ想定できるシステムダウンを起こすような重大な操作に対しては、操作ミスを受け付けないシステム制御機能を実装すべきです。

 

 どちらかと言えば、操作ミスの問題は、ユーザーが想定外のイレギュラーな操作・処理をした場合やシステム管理者が滅多に行わない特別な操作をした場合にあります。これらすべてに対してシステム制御を行うことは現実的ではありません。

 

 次善の予防策としては、システム構築の要件定義・設計プロセスの段階で、細かな部分までシステム利用者の入力操作や実作業の流れを意識して丁寧にシステムを作り込むことです。例えば、ユーザビリティの面では順列的な入力項目の並び、文字フォントサイズの拡大、ラジオボタンの設置など、入力画面に誤入力軽減につながる工夫を施すことができます。

 

 一番やっかいなのが“バグ”の発現です。何をキッカケにして表出するかわかりません。これもゼロに近づけるためには、システム構築時のテストプロセスの品質・量を充実させる以外にありません。通常の運用テストでは、どうしても定型業務の確認に終始しています。これも大事なことですが、潜在的なバグを発見するためには、定型以外の例外処理テストや極(キワ)テストを徹底的に行う必要があります。

 

 例外処理テストとは、いったん登録した内容の取消しや変更など発生頻度は高くないが起こる可能性があるイレギュラー処理の検証です。極テストとは、システム入力範囲の極小値・極大値を入力して仕様どおりシステムが機能するか、あるいは、想定量より多いデータ量を流してシステムに負荷をかけても安定稼働するかなどシステムに極端な使用を試みることです。

 

 当然テストを充実させれば、システム開発の時間とコストが余計にかかります。実際のプロジェクトでは予算も開発期間もギリギリなので、テスト計画は最低限の内容になりやすいです。そのうえ、何かアクシデントがあって開発が遅れれば、稼働日はずらさずにテスト期間が削られることになります。

 

 テストは運用時のシステムの失敗リスクを低減します。「まずは本稼働を優先して、稼働後にバグが見つかればその時に対応すれば良い」という発想は大変危険です。経営者はシステムに内在する企業を脅かすリスクに注意を払うべきです。システム構築の成功は稼働だけではありません。事前のシステム構築計画段階では、テスト工程に十分余裕を持った予算と期間を確保しておくことが重要です。

 

システム運用段階の失敗と要因の関連図

 

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