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2015.10.07  人をモノあつかい?

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 先月、厚生労働大臣から各団体(経団連、商工会議所、財務会計基準機構、日本公認会計士協会など)にお達しがありました。

 

 内容は、「労働者派遣に対する対価の会計処理や表示を行う際に独立掲記する場合には、適切な名称(例えば「人材派遣費」など)を使用するなど、労働者の派遣を受けてその人材を活用しているという実態を適切に反映する」です。

 

 何を言っているのだろうと思い、調べてみると、国会で「労働者派遣に対する対価の勘定科目について、例えば物件費という科目が使われているのは、派遣労働者を物扱いしていることの表れである」との指摘が取り上げられたそうです。

 

 物件費は複合科目です。いろいろな費用が混在した雑多な科目です。独立掲記しているなら、そもそも物件費の名称を使用することはありません。

 そうだとすると、この要請は、独立掲記しない(金銭的重要性がない)ときに、処理する科目として「物件費を使うな」ということのようです。

 

 たしかに労働者派遣の人にとっては感じが良くないでしょう。要請の趣旨はわかります。基本的には賛成です。しかし、「物件費は、派遣労働者を物扱いしている」からとは、あまりに話が飛躍しすぎています。

 

 会計は、取引の経済実態や自社のビジネス形態に合わせ適切に処理します。長期的な派遣だと人件費に含めたり、スポット的な派遣だと外注費、支払手数料に含めたりもあるでしょう。物件費を使用するにしても、派遣対価に金額的重要性がなく、適当な科目もなかったため、消去法的に割り振られたにすぎません。

 

 心遣いとして科目名称に気を配るならわかりますが、そこに派遣問題の一端があるかのような考えは、あきらかにこじつけです。問題があるのなら、本質的なところを議論して解決してほしいものです。

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