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 システム開発では、ユーザー企業からITベンダーにたくさんの質問を投げかけますが、よくあるのが「◯◯はできますか?」と言う質問です。特に多いのが、発注前のベンダーや製品の選定段階、発注後の要件定義やフィット&ギャップ分析の時です。

 

 選定の際に、ITベンダーの営業担当者に聞けば、ユーザー企業のリクエストに「◯◯はできません」とは言いづらいものです。案件を受注したいので、大規模なカスタマイズ工数がかかり、本来は「できない」と言うべき機能であっても、「カスタマイズすれば、大丈夫です」とか「対応できます」と答えることが少なくありません。

 

 また、要件定義の時に、SEに「◯◯はできますか?」と聞くと、SEはユーザー企業の希望をできる限り叶えるのが自分たちの仕事だと考えていますから、真剣に受け止め、極力つくる方向で検討します。

 

 システム開発の怖いところは、もしお金と時間を無限に使えるなら、おそらく「開発できない機能はない」という点です。

 

 そのため、ユーザー企業が何の制約条件もなく、ただ「できるか・できないか」の二択を迫れば、それはベンダーの技術力を問うている話です。難しくても、「◯◯はできません」や「止めるべきです」とは言えず、「何とかします」あるいは「できなくはない」と言う回答になります。

 

 しかし、その時のベンダーの真意は、その機能は「作りたくない」、「作るのは止めておいた方がいい」というものです。きちんとその辺の事情・見解を伝えてくれる担当者もいれば、ユーザー企業の聞き心地の良いことしか言わない担当者もいます。

 

 さらに、日本人特有の曖昧さも加わり、ユーザー企業はシステム開発リスクを見誤ることになります。諸外国と比べ日本企業のシステム開発が失敗しやすいのは、こういう事も原因の一つなのでしょう。

 

 「◯◯はできますか?」と言う質問をする時は、目的(単なる事実・状況確認なのか、正式なユーザーとしての要望なのか)、必要度(必須か任意か、任意の場合は高中低くらいのレベル)、予算規模・開発期間も合わせて正確に伝えます。

 

 そして、ベンダーのYES・NOを丸呑みすることなく、具体的な点まで踏み込んで社内でも確認し、慎重に選定ないしは機能開発を判断します。