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 あなたの企業では、基幹システムを何年ごとに更新していますか? 5年、10年、15年・・・。現行システムがいつから稼働したか調べてみると、思いのほか年数が経っていてビックリするかもしれません。

 

 基幹システム構築には、例えば、年商100億円の中堅企業で数億円かかります。構築期間も、次期システムの検討着手から安定稼働まで数年はかかります。

 

 企業の屋台骨を支えるシステムですから、当然システム開発の難易度も高く、どの企業も基幹システムを一度構築すると、追加修正開発を繰り返して、10年以上、できるかぎり長く利用しようとします。

 

 それでも、現行システムを永遠に使い続けることはできません。

 

 基幹システムのサーバーの耐用年数やリースの期限切れであれば、まだサーバーの載せ替えやリース期間の延長で対応できます。しかし、基幹システムを動かしているソフト(サーバーOSやミドルウェア)の保守切れや、開発言語の陳腐化ともなると物理的に限界です。

 

 また、変化の激しい現代では、10年も経てばビジネス環境が一変します。構築時には想定できなかった新しい業務や要望も、最初のうちは修正追加開発で何とか対応できますが、それらの数や範囲が増え続けると、ツギハギだらけの基幹システムは動くのがやっとのブラックボックスとなります。事実上の保守不能状態です。

 

 さらに、システムで対処できなくなった業務では、手作業、紙・Excelが横行し、システムとそれらの2重入力・3重管理が当たり前となります。業務は非効率の極みとなります。

 

 このように基幹システムの刷新時期が必ずやってくるわけですが、それは言い換えれば、10年に一度の業務改革のチャンスでもあります。

 

 今の時代、システムと業務は表裏一体です。システム更新と抱き合わせでないと、大胆な業務改革はできません。実際、基幹システムの更新に当たっては、どの経営者も業務改革を同時に指示します。

 

 しかし、現実は改革成功企業と失敗企業に分かれます。成功企業は次の10年の飛躍が約束されますが、失敗企業は逆に10年間のハンディを背負います。基幹システムの更新は、企業にとって重要なターニングポイントなのです。

 

 改革の成否の差はどこからくるのか。その答えは、経営者の頭の中にあります。失敗する企業の経営者は、基幹システムの更新を“システム開発7”:“業務改革3”と考えています。業務改革を唱えながらも、主体はシステム開発プロジェクトです。

 

 逆に、改革に成功する企業の経営者の考え方は、その比率が逆(3:7)です。基幹システムの更新は、業務改革のキッカケにすぎません。改革が目的であり、システム開発はその手段なのです。

 

 そう考えていくと、自然にプロジェクトは二つに分かれます。改革推進プロジェクト(システム構想プロジェクト)と、それを実現するシステム開発プロジェクトです。前者は経営企画部門・社長直轄の戦略チームが主体となり、後者は情報システム部門が中心となります。

 

 10年に一度の基幹システムの更新。この業務改革の最大のチャンスを生かすも殺すも経営者次第です。システム開発中心のプロジェクトに、業務改革も一緒にさせるやり方では到底うまくいきません。そのような体制では、経営者自身でさえ、改革達成に不安を覚えることでしょう。

 

 基幹システムの更新時期が近いうちに来るならば、まずは先行して業務改革プロジェクトを立ち上げるのが理想です。