三位一体コラムCOLUMN

三位一体コラム

【システム・業務・会計】

三位一体改革

無料メールマガジン

(毎週水曜配信)

 実務に役立つコラムや情報
セミナー案内をお届けします。
ぜひご登録ください。

お金をドブに捨てないシステム開発の教科書 新・原価計算5大改革CD

■ 事務所案内

公認会計士中川充事務所

〒100-6005
東京都千代田区霞が関3-2-5
霞が関ビルディング5F

TEL: 03-4334-8052
FAX: 03-4334-8053

■ よく読まれている人気の記事

2016.04.06  原価を変えないと、正しい値決めはできない

pixta_16071093_S

 『値決めは経営の仕事』・・・これは、アメーバ経営で有名な稲盛氏の言葉です。値決めは、会社の利益を決める最も重要な要素です。価格が高すぎると利益は出ますが、受注がとれません。一方、安くすると販売しやすくなりますが、今度は利益が残りません。ですから、値決めは利益がきちんと出て売れるギリギリの所を狙います。

 

 実際の値決めは、製造業の場合、市場価格(マーケットアプローチ)と見積原価(コストアプローチ)を比べて決定されます。

 

 工場が出してきた見積原価が市場価格を下回っていれば問題ありませんが、見積原価が高すぎると、営業担当者からは「これじゃあ売れない」となります。受注の機会をみすみす見逃すか、社内工場より安くできる外注先があれば、そちらに仕事を回して受注したりします。

 

 でも、果たして本当にこれで良いのでしょうか。工場がフル生産であれば、安い引合いをお断りしたり、外注先を活用したりするのもわかります。しかし、生産余力があるなら、話は別です。できる限り設備や人員を遊ばせないよう極力受注に結び付けなければなりません。

 

 そもそも「見積原価」は、どのような数字なのか。

 

 よく原価計算は難しいと言われます。社内で原価計算を担当していても、その意味を正しく理解している人は少ないです。そのため、大昔に先人が作った原価計算ルールをそのまま継承している会社が大半です。

 

 その根幹にあるのは、わが国の「原価計算基準」です。原価計算基準は昭和37年に公表されてから、54年間たった一度も改正されていません。

 

 昭和37年(1962年)と言えば、東京オリンピック(1964年)の2年前、日本の高度経済成長期(いざなぎ景気1966年)が始まる3年前です。当然インターネットも無い、コンピュータも普及していない時代です。その時の国内製造業のために考えられた原価計算の制度が、今もそのままの形で残っているのです。

 

 基準には原価計算の目的として、“価格決定”や“原価管理”も掲げられていますが、その主たる目的は“決算会計”です。日本の制度会計の正規な基準として、これを順守して製造原価を集計し、完成品・仕掛品の棚卸資産を計算しないと、税務調査や上場企業の会計監査がエラーになってしまいます。

 

 決算会計では、公平性・真実性が求められます。つまり、決算会計の原価計算では、「原価と言われるモノはすべてかき集め、実際の金額で、実際に作った製品や仕掛品に適切に按分せよ」となります。専門用語で言うと、『実際全部原価計算』です。

 

 この実際全部原価計算を「大嫌い」と言った大経営者がいます。トヨタのかんばん方式で有名な大野耐一氏です。全部原価計算を工場の指針にすると、生産すればするほど、一製品当たりの製造単価が安くなるので、工場長は作り過ぎてしまうのです。

 

 かんばん方式の基本精神は「在庫は“罪庫”」ですから、大野氏にとっては、経理が唱えるフルコスト(全部原価)は我慢ならなかったようです。その当時に、全部原価計算の本質的な欠陥を看破していたのには、恐れ入ります。

 

 企業の大半は、この決算会計をベースに「見積原価」を作っています。原価計算ルールを昔から承継しているのなら、尚更です。決算会計だと原価は1つの金額(会計上の真実性)しか出ません。それと市場価格を比較して「高い・低い」と値決めの結論を出しているのが現状なのです。

 

 コンピュータがない時代ならまだしも、現代は適切な原価計算システムを構築すれば、原価の多様な計算や分析・シミュレーションができます。決算会計目的の原価計算を元に、価格決定や原価管理に使う必要はありません。価格決定には価格決定に役立つ原価を、原価管理にはコスト削減に役立つ原価を提供できれば良いのです。

 

 今一度、あるべき「見積原価」、値決めに役立つ原価情報を見直してみてはいかがでしょうか。原価の定義が変われば、売上や利益をアップさせる値決めができます。

三位一体改革メールマガジン登録はこちら

なぜ、業績が伸びないのか?

 

それは、経営の仕組みが原因
かも知れません。

なぜ、業績が伸びないのか?
それは、経営の仕組みが原因かも知れません。

 「三位一体改革メールマガジン」は、公認会計士中川充事務所が発行しているメルマガです。【システム・業務・会計】の三位一体で推し進める仕組み改革を推奨し、それに役立つ情報やビジネスコラムをお届けしています。登録は無料で毎週水曜配信中です。ご希望の方は下記からメールアドレスをご登録下さい。

  • ※ご登録頂いたメールアドレスは目的外で利用しません。
  • ※GmailやYahoo!メール等でもご登録いただけます。
  • ※配信停止をご希望の際はこちらから解除できます。

トップページ > コラム > 原価を変えないと、正しい値決めはできない

ページの先頭へ ページの先頭へ戻る


特定商取引法に基づく表記

Copyright © Mitsuru Nakagawa CPA office