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2016.05.18  セグメント情報は目的適合性が大切

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 企業情報の大半は、セグメントされています。“得意先別”の売上一覧表、“商品グル―プ別”の販売数量、“部門別”や“店舗別”の損益計算書など。「経営報告資料でセグメンテーション(細分化)されていないものはない」と言っても過言ではないかもしれません。

 

 なぜ、企業情報はセグメントされるのか。それは、一つの大きな情報の塊だと見えないことでも、同じ種類の情報にグルーピングして小分けしてみると、色々なことがわかるからです。それを基準にして経営判断したり、対策を具体的に指示したりすることができます。

 

 セグメント情報はとても有用な情報です。しかし、その用途や使い方を間違うと、逆効果になることもあります。

 

 たとえば、店舗の業績管理に使う「店舗別の損益計算書」。一見、店長の人事評価にも使えそうですが、それをそのまま使うと、おそらく店長達から不平不満が出てきます。

 

 「うちの店舗は駅前にあるから、家賃が高い。それなのに無駄に広い事務所、1台だけの中途半端な駐車場等、売上にあまり役立っていないスペースがある。これを家賃として全額負担させられるのはたまらない」

 

 「うちの店舗は地方にあるから、社員の単身赴任者が多い。借上社宅とか、毎週末の帰宅費用とかの負担がある。首都圏の店長と比較されるのは不公平だ」等、店長達から「これを調整すべき」「この費用は控除しろ」との意見が出てくるのです。

 

 そこで店長の意見を取り入れた「店舗別の調整損益計算書」をつくります。今度は店長の人事評価は公平となりましたが、調整がバイアスとなり店舗毎の経営実態からは遠ざかります。

 

 もし、調整損益計算書を店舗別の採算管理に使うと大変です。極端な話、店舗の単身赴任者コストを本社に一部振替えた調整損益計算書を見て、「地方店舗の利益が出ているから地方出店を増やそう」とか、間違った経営判断を誘発してしまいます。

 

 このように、タイトルに「店舗別」とあるからと言って、その中身が情報の利用目的に合致しているかどうかは別問題です。セグメント情報と内容を整理する際は、2つの軸・用途で考えるのがお薦めです。

 

 1つは“商品軸”で採算管理が目的です。階層は下から「商品・サービス」「商品・サービスのグループ」「部門・店舗・営業所」「事業部」「会社」で、商品からビジネスユニットまで展開します。真実性が求められ、売上高・売上総利益(粗利)・営業利益・貢献利益等が中心です。

 

 もう1つは“組織軸”です。個人や役職者の人事評価が目的で、階層は下から「社員」「チーム」「部長・店長・営業所長」「事業部長」「役員」で、公平性が求められます。売上高対前年比等の目標達成や管理可能利益が中心となります。

 

 事例では、異なる軸なのに同じ「店舗別の損益計算書」を使おうとしたからおかしくなったのです。経営の両輪である「人」と「業績」の管理。目的にあったセグメント情報を活用しましょう。

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