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2016.05.25  「製造」と「営業」の対立の先に

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 製造業にとって「製造部」と「営業部」の関係は重要です。両者の意思疎通が悪いと、仕様変更の連絡が届かなったり、顧客への追加請求が漏れたりします。また、双方が意地を張り合うと見積時の納期や価格で折り合えず、とれる仕事も失注してしまいます。

 

 製造と営業が対立しやすい要素に、営業から製造へ生産手配する際の「社内価格」があります。社内価格とは、営業部と製造部との間の取引価格であり、営業部は社内価格を「見積原価」として使い、製造部は「生産高」として利用します。

 

 社内価格は、社内に需要と供給の論理を持ち込みます。営業部は社内価格が安いほうがよく、製造部は高いほうがよいわけです。このような社内の競争原理の有用性は、稲盛氏のアメーバ経営(チーム別採算管理)にも述べられています。社内価格の仕組みは、正しく機能すれば業績に貢献するはずです。

 

 ただし、それには部門間の駆け引きや製販の力関係ではなく、全社的に見て適切な社内価格を設定できるかどうかにかかっています。

 

 一例として、工場を2つ持つ製造業の社内価格を考えてみましょう。A工場は築30年以上経過した建物、B工場は新築だとします。A工場の減価償却費の負担はほぼゼロですが、B工場はかなりの金額です。同製品を同数生産した場合、A工場の原価は低く、B工場は高くなります。

 

 もし社内価格を工場別に設定すると、A工場の社内価格はB工場よりずっと安くなります。営業の手配はA工場に集中し、B工場は新築にも関わらず閑古鳥が鳴くでしょう。

 

 では、A工場とB工場の原価を足して2で割った、AB共通の社内価格にしたらどうなるでしょうか。

 

 A工場のみの安い社内価格だった時には、市場競争力がありました。しかし、B工場ができたことで、B工場の減価償却費分だけ社内価格はアップします。社内価格と外注価格を比べて外注価格のほうが安いと、営業は社内工場へは手配せず、外注先に発注します。そのほうが営業部として利益が残るからです。

 

 「会社全体の利益より部門利益が優先される状況はまずい」と、A工場のみの時の社内価格に戻したとします。そうすると、今度は製造部で不満が溜まります。B工場の減価償却費分、赤字が出るからです。

 

 さらに、これは会社の体力も低下させます。営業が安売りを続けているので、B工場の建物分の投資がいつまでも回収できません。

 

 全社的な観点で見れば、営業部のミッションは「少しでも高く売ること」、製造部は「少しでも生産性を上げること」です。社内価格を社内利益の奪い合いに使っているようでは、対立構造は変わりません。

 

 社内価格は、市場価格や自社の生産能力を踏まえ、製販が協調して検討すべきものです。大切なのは、お互いの主張や考え方を正しく理解し、その上で共通の利益を考えることです。

 

 そのためには、部門の業績評価と社内価格を切り離す、あるいは社内価格も含めた評価基準の複数化も検討すべきでしょう。

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