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2016.06.08  管理部門の省人化を考える

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 業務改革やシステム構想で管理部門の業務効率化の話を進めていくと、決まって出てくるのが「省人化」の話です。「省人化」とは人員を減らして現行の業務をこなすことを指します。もともとトヨタ生産方式の用語でしたが、現在では広く使われるようになりました。

 

 なぜ管理部門の業務で単なる「効率化」ではなく「省人化」が求められるのか。理由は2つあります。

 

 1つ目は、最大の部門コストが人件費であるからです。こう書くと「人材をコストとは何事か」と怒られそうですが、会計的には事実です。損益計算書上、人にかかる科目を集計してみて下さい。給与手当・賞与・賞与引当金繰入額・法定福利費・福利厚生費・退職給付費用・採用費・研修費など、相当な金額に上ります。

 

 ただし勘違いしてほしくないのは、省人化は「リストラ」の話ではありません。「人を減らそう」ではなく、「人の生産性を上げよう」という話です。3人でやってきたことを2人でできれば、残りの1人は別な仕事ができます。そうやって業績を向上させるのが目的です。

 

 2つ目は、管理部門の「業務(特に事務仕事)」と「時間」の関係が弾力的だからです。弾力的とは、たとえば10分で終わる仕事に30分かかろうとも、一概には「怠惰だ」とは言えないということです。

 

 管理部門は不定形な仕事が多く、生産性の尺度がわかりにくいのです。ちょっとした業務効率化だと、担当者が多少楽になった程度で、社内で目に見えるような成果がでません。それに対し、省人化だと同じ仕事なのに人数が減ります。生産性向上を社内に明確に示すことができます。

 

 では、どうすれば管理部門の省人化ができるのか。それを考えるためにも先に「省人化ができないケース」「省人化が難しいケース」を見ていきましょう。

 

 1つは、人数が少ない場合です。仮に2人でやっていた仕事を1人でできるようにするには、生産性を2倍にしないとなりません。時間を持て余していた仕事ならいざ知らず、普通の仕事で生産性を倍にするのはそう簡単ではありません。

 

 もう1つは、やるべき仕事を省略していたケースです。人手が足りなくて、本来やらなければならない仕事をやってこなかったとしたら、省人化しても空いた人をその仕事に回すだけです。部門内の生産性は明らかに改善していますが、部門外から見ると何も変わっていないように見えます。

 

 これらを踏まえると省人化に適しているのは、人数が比較的多く、すべき業務はきちんと実施している管理部門です。そうでない管理部門に対して省人化にこだわりすぎると、かえって問題を引き起こします。

 

 ある程度余裕がある管理部門の省人化の方法、それは強制的に貯金をつくる家計の見直しに似ています。先に必要な分を天引きし、残った金額で何とかやり繰りを考えます。

 

 たとえば、10人の管理部門なら8人で回すためにどうするかを考えます。どうしても効率化できずにそのままの形で継続する業務(キープ)、IT化や業務内容・プロセスを変更して効率化する業務(チェンジ)、完全にやめてしまう業務(ストップ)に分けて検討します。

 

 私はキープ:チェンジ:ストップをだいたい3:6:1でやることを推奨しています。現状のIT化レベルにも寄りますが、1人2人の省人化余地は十分出てきます。

 

 ただし、省人化できたからと言って「管理部門がこれまでサボっていた」という話にはなりません。余地が出てきたのは自然発生的な業務効率の経年劣化によるものです。だからこそ、管理部門では定期的に業務の総点検・見直しすることが大切なのです。

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