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2016.06.15  「天国と地獄の長い箸」から考える全社システム

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 システム開発では、自部門だけでなく経営者や他部署、経理部のことも考えた全社ベースでシステムを構築しなければなりません。全社最適の構想がないと自部門の要求が中心となり、自部門のためのシステムができてしまいます。

 

 たとえば、事業が伸びてきたので、初めて販売管理システムを開発するケースを考えてみましょう。

 

 営業部(自部門)のメンバーだけで構想を練ると、販売管理システムから会計システムへの仕訳連携を失念するかもしれません。経理部の仕訳入力を自動化することまで考えが及ばない可能性があります。

 

 また、いつも営業部から購買部へ受注情報を流しているので、販売管理システムと既存の購買管理システムを連携することにしても、それがベストである保証はありません。

 

 購買部にたずねてみたら、「受注情報も大事だが、販売管理システムから見込案件の情報が取れればもっと助かる。先行手配できるから」と想定を超えた回答もありえます。

 

 普通に現場部門へヒアリングすれば、当然「うち(自部門)はこうしたい」「この機能がほしい」という話になります。それはそれで重要な情報ですが、そればかりを集めても部門の最適化です。システムが全社最適化することはありません。

 

 では、どうすれば全社システムを適切につくれるのか。一つ面白い法話があります。

 

 皆さんは「天国と地獄の長い箸」というお話を知っているでしょうか。大きな釜の中に食べ物がたくさんあるのですが、手許には普通の箸がありません。あるのは人の身長よりも長い巨大な箸だけです。その箸ではとても自分の食事は取れません。

 

 天国ではその巨大な箸を使って、お互いに食べ物を分け与えます。そのため全員が満腹となり飢える人はいませんでした。一方、地獄では長い箸を使って自分で食事を取ろうと試みますが上手くいきません。全員が空腹のままであり常に怒っています。

 

 これは、同じ環境であっても思いやりの有無で天国にも地獄にもなるというお話ですが、全社システム構築にも通ずるように思います。全社システムはサブシステムが物理的に連携しているだけでは機能しません。自部門が扱う情報をどのようにして他部門のために使うか。そういう情報の共有や相互利用の視点が大切なのです。

 

 だからと言って、営業部門のメンバーに「経営者、購買部や経理部にどういう情報を流せばいいか」と質問しても満足な回答は得られないでしょう。

 

 そこで、「購買部には営業部が持つこういう情報が役立つのではないか」「販売管理システムから会計システムへの自動仕訳を生成できるようにしたらいいのではないか」といった、コーディーネートの役割が重要になります。

 

 部門の垣根を越えて情報を渡し合う提案をするのです。そのためには両部門の業務知識や状況の理解、さらには経営や会計の知識が必要です。でも知識は完璧で無くても良いのです。「こういうことは考えられないか」と言うアイデアを出しあうだけでも十分です。

 

 ぜひ名コーディネーターになって天国のような全社システムを作って下さい。

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