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 業務改革やシステム構築にとって、ヒアリングはとても重要な作業ステップです。会社の実状を正しく把握できるかどうかは、ヒアリング能力にかかっていると言っても過言ではありません。

 

 その一方で、ヒアリングの成果は、説明してくれる業務担当者の能力に依存しているのも事実です。

 

 通常業務の「報・連・相」だと、回答方法や報告スタイルが定型化されていて、またその内容に熟知した経営者や上司が聞き役ですから、担当者の能力に関わらず支障なく成立します。

 

 しかし、ヒアリングは臨時かつ第三者への回答です。特に自分の業務を常日頃から整理できていない担当者だと大変です。思いつきで話すので、肝心な情報が抜けたり、どうでも良い部分ばかりにフォーカスしたり、感情だけを爆発させて訴えてきたりします。

 

 このようなことを防ぐために最も効果的なのは、事前に「業務日報」をつけることです。特に間接部門の業務は月次サイクルが主流です。ヒアリング前に担当者に1ヵ月間つけてもらうだけで、内容がかなり整理されます。

 

 ここで大事なことは“毎日”つけることです。できれば1日の途中で小まめにメモします。

 

 なぜそうしてもらうかと言うと、多くの人は日々の業務に忙殺され、普段やっている業務の重要ポイントを後で網羅的に思い出すことが難しいからです。

 

 さらに、慣れ親しんだ業務は無意識にやっています。無意識な作業は体や手を使うものだけではありません。頭を使うのも含みます。「資料をざっと見て判断・指示する」、「問い合わせのメールを見てすぐ返信する」、これらは脳トレのようなタスクなので、当人はあまり意識していないのです。

 

 ですから、面倒でも頻度を増やして業務を「記録」することが大切になります。

 

 しかし、「ヒアリングのために1ヵ月も業務日報をつけることはできない」という時もあります。

 

 その場合は、普段の業務内容を思い出して、事前に洗い出してもらうしかないのですが、それにも限界があります。人によってもピンキリです。どうしたらよいのか。

 

 ここでちょっとした業務を思い出すコツをお教えしましょう。

 

・電子メール内容(送信、受信の両方、1ヵ月分以上)を見直す

・パソコンや共有フォルダ内のファイル(更新日時を意識しながら)を見直す

・紙の作成資料や提出資料、保管ファイルを見直す

・訪問場所を洗い出す、覚え出せない場合は経費精算書やスイカの履歴を見る

・もらった名刺を見直す

・社内を一周する

・よく仕事を頼む・頼まれる他部署の人と話す

 

 つまり、物理的に残っているモノや視覚・会話を頼りに、業務の痕跡をたどるのです。このように何かキッカケがあると、漠然とやっていた業務の洗い出しが、リアルなものに変わります。