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2016.10.12  「価格決定」には企業を永続させる視点が必要

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 わが国の原価計算基準は、昭和37年に施行されて以来、50年以上にわたり改正されていません。原価計算目的には大きく「価格決定」「生産管理」「制度会計」の3つがありますが、この弊害は特に「価格決定」において顕著です。

 

 価格は自由に決めてかまいません。多くの企業では、原価に利益を加えて価格とする方式(コストアプローチ)を採用しています。製品原価に利益を一定額(一定率)上乗せすることで、確実にコストを回収し、利益を残せる価格です。

 

 もし製品原価が不適切だったら・・・営業は間違った価格で得意先に売っていることになります。会社に貢献しているつもりが、売れば売るほど会社に損失を与えているかもしれないのです。

 

 原価計算基準に書かれている原価概念は「実際原価」「予定原価」「標準原価」の3つです。それぞれの原価と価格決定について考えてみます。なお、基準には「全部原価(フルコスト)」と「部分原価(たとえば直接原価)」についても書かれていますが、これらは原価の集計範囲の話であり、別な論点ですのでここでは割愛します。

 

 

 実際原価

 実際原価とは「財貨の実際消費量をもって計算した原価」を言います。実際単価×実際消費量が基本です。「実際」というと真実っぽくて聞こえはいいですが、ここで言う「実際」とは「会計にとっての実際」です。当期の会計決算や税金計算にとっての実際なのです。

 

 たとえば、ある工場で機械装置を定率法で減価償却しているとします。定率法は導入当初の償却費が大きく、その後年々償却費が小さくなっていく計算方法です。

 

 つまり、10年間、同じ製品Aを作っていても、機械装置を買った初年度の原価は大きく、年々原価が小さくなるのです。実際原価がベースなら毎年売価を下げなければなりません。

 

 

 予定原価

 予定原価とは「将来における財貨の予定消費量と予定価格をもって計算した原価」を言います。実際原価でなく予定原価を用いる利点は2つあります。

 

 1つは、実際原価だと同一製品でも単価や消費量のムラがそのまま原価に反映してしまいますが、予定原価だとそれを平準化できます。もう1つは、実際原価は実際なのですべての経費入力が終わらないと算定できませんが、予定原価はその必要がありません。

 

 予定原価の「予定」は何の予定かと言うと、それは実際原価の予定です。会計決算や税金計算が最終的にどう着地するか、その予定なのです。ですから予定原価は実際原価に近似値になるよう設計されます。

 

 

 標準原価

 標準原価とは「財貨の消費量を科学的、統計的調査に基づいて能率の尺度となるように予定し、かつ、予定価格又は正常価格をもって計算した原価」です。簡単に言えば、生産管理の目標・お手本になるような原価です。

 

 そのため、標準原価は実際原価よりも通常小さくなります。もし標準原価を価格決定に使えば、その企業はコストを自ら負担して安売りしているのと同じです。

 

 ここまで見てきてわかるように、「実際原価」「予定原価」「標準原価」は、価格決定に適した原価ではありません。では、どんな原価なら良いのか?

 

 私の推奨は「回収原価」です。企業が中長期的に渡って本当に回収したい(回収すべき)金額を平準化して算出します。※「回収原価」は著者の造語です。

 

 たとえば、機械装置の減価償却。定率法から定額法に変え、耐用年数は会計上10年でも、実際20年使う見込みがあるなら20年で計算します。さらに、減損していれば減損前に戻したり、償却済みの機械装置でも中長期で設備投資が必要ならその分を調整したりします。

 

 「価格決定」には、販売を通じて企業を永続させる視点が必要です。「制度会計」や「生産管理」とは目的が違います。競争が激しい時代では、価格決定に優れた原価計算が求められます。

 

 なお、制度会計においては、最終的に「実際全部原価計算」で算出した数字と同じくする必要があります。独自の原価概念を採用した際は、標準原価の原価差額の処理、直接原価の固定費の期首期末洗い替え等と同様、調整計算が必要です。

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