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 従来エクセルや手作業でやっていた業務をシステム化すれば、業務効率が上がります。システム内にデータが蓄積されるので、全社でデータを検索・閲覧・活用しやすくなります。

 

 一方、エクセルだとそうはいきません。1つのファイル内でしかデータを活用できないので、利便性が低いのです。非常に使い勝手は良いのですが、閉鎖的です。

 

 ゆえに、当初はエクセルで対応できていた業務でも、業務量が著しく増えたり、データ分析の必要性が生じたり、他部署や別システムでデータを利用する頻度が上がったりすると、システム化の検討対象となります。

 

 たとえば、経費申請。社員が20人くらいならそれほどの業務量ではないですが、社員が100人近くなるとエクセルや紙の経費申請では、管理部門はパンクします。

 

 そういう場面で、ワークフローシステムを導入し、申請から仕訳までを自動化すると、管理業務はとても軽減します。管理部門からは「楽になった」「月末の残業が激減した」等の声が聞かれ、効果はてきめんです。

 

 ところが、たまにそうならないケースがあります。

 

 あるシステム導入プロジェクトで、「その後どうです。業務は楽になりましたか?」と責任者に聞くと、「まだそこまでの成果は出てないです」と悲しげに答えます。

 

 状況を詳しく確認してみると、システム稼働後にも現場のエクセル入力が続いていたのです。つまり「エクセル入力」と「システム入力」の2重入力で、業務は減るどころか、増えていたのです。

 

 担当者にエクセルをやめない理由を聞くと、「システムに入力した内容が正しいかどうか、エクセルで検証するため」とか、「エクセルが慣れているのでまずそちらに入力し、その後システムに時間を見て入力している」と答えます。

 

 あなたは、この話を何かの冗談かと思うかもしれません。しかし、実はこういう話は1社2社ではありません。私の経験上でもかなりの数ありました。新システムを導入しても、従来のやり方に意味も無く固執する人が必ず一定数いるものです。

 

 そのような人にどのように対処すればよいのか。

 

 まず大切なことは明確にその業務でエクセルを使用するのは「禁止」と伝えます。経営資源(人件費・時間)の無駄遣いですから、業務命令として「止めるよう」はっきり宣言します。

 

 次にモニタリングして、エクセルを使っているのを見つけたらその都度注意します。彼らにとってエクセルは習慣です。体に染みついた習慣を変えるには根気が必要なのです。

 

 実際IT化が遅れ、エクセルの業務期間が長かった企業ほど、脱エクセルの時間がかかります。それは人がケガをした際のリハビリに似ているかもしれません。新システムの投資効果を上げるためには、確実な脱エクセルが大切です。