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2016.11.02  1億円のシステム投資を社長に承認してもらう方法

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 事業が成長して初めて本格的な基幹システムを導入する時、システムベンダーに概算見積を依頼すると「億越え」の金額をもらいます。

 

 それまで簡易なパッケージソフトや、高くて数百万円のシステムしか導入したことがない企業にとっては、驚くような金額です。

 

 おそるおそる担当者が、社長のところにシステム導入の話をしにいくと、

 

「1億円? システムに高すぎじゃないか? 本当に必要なのか精査しろ!」

 

と言われます。こう言われて、途方にくれた人も少なくないのではないでしょうか。実際、私のところにも「システム投資金額が高いと言われたのですが、これが相場でしょうか?」と言うご相談もたまにあります。

 

 相場と言っても、ビジネスや企業規模によって必要なシステムは変わりますから、一概には言えません。ただ、全社システムの初期投資の目安として、年商の1~3%の金額で考えていれば大外れはしないです。参考にして下さい。

 

 ところで、創業時のシステムと言えば、家電量販店で売っている会計ソフトくらいです。パソコンにインストールして使う類で、金額は1台用で10万円以下です。

 

 その企業がベンチャーの「死の谷」を超えて、一つの勝利の方程式をつかむと、事業は急に成長し始めます。

 

 店舗運営の小売であれば成功店をモデルに多店舗化します。物販であれば取扱い商材や営業所を増やし、拡大路線に入ります。これらが上手く回り始めると、あっという間に年商は30~50億円くらいにはなります。

 

 この段階の会計システムだと、まだパソコンソフトが多いと思いますが、さすがに1台用はムリです。ネットワーク版といって複数人が同時作業できるバージョンとなります。価格は大体100万円です。

 

 この段階で基幹システムを導入するか否かはビジネスによるでしょう。取引単価が少額で取引量が多い企業だと、簡易なシステムは必要です。価格は数百~数千万円でしょうか。

 

 そして、年商50億円を超えて中堅企業となり300億円を目指す過程のどこかでは、必ず本格的なシステムを導入する時期がきます。

 

 なぜなら、簡易システムのままでは、経営情報が見えづらくなるからです。その上、業務は人海戦術で非効率な状態が続きます。企業規模に相応しいシステム化を怠ると、成長が停滞します。

 

 たとえば、会計システム。情報量が増大すれば、オラクル等の高性能なデータベースが必要です。中堅企業向けの会計システムではデータベースを独立した形で運用します。

 

 また、中小企業の場合、手間がかかるので商品の受け払いは管理せず、月末の棚卸で在庫数量を確定しています。しかし、この体制では月中の正確な損益を把握することができません。

 

 取扱い商材が増えれば、これは致命的になります。受け払いを管理するということは、それまでの業務管理とレベルがまったく異なるのです。それを実現するためには、「販売管理」と「購買管理」と連動した「在庫管理」を持つ基幹システムが必要です。

 

 社長には、次のように説明すると良いでしょう。

 

「これから5~10年、当社の成長は年商30~50億円で留まるのでしょうか。そうであれば、システム投資は数千万円程度に抑えます。しかし、100億、300億を目指すのであれば企業としての本格的なシステム構築が必要です。今回の1億円はそのための土台作りです。」

 

 新規のシステム導入は、検討を始めてから稼働できるようになるまで、少なくとも1年はかかります。事業が急成長して業務がパンクしてからでは遅いのです。中期計画や業務実態を踏まえ、適切なタイミングで社長に進言しましょう。

 

※本文記載の年商は物販業をモデルにしています。製造業等は5掛け・7掛けで検討する必要があります。

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