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2017.02.08  月次決算は遡及させない仕組みにする

 現代会計の起源は、大航海時代の交易だと言われています。

 

 当時の交易は、欧州の出資者がお金を出し合って船を調達し、地元の特産品を仕入れます。何か月も航海してアジアに運び、積荷を売りさばき、今度はアジアの特産品を仕入れます。それをヨーロッパに持ち帰って売りさばき、出資者に出資金と利益を還元します。

 

 この航海の収支を記録したのが「会計」であり、出資者に報告した行為が「会計報告」です。こうしてみると無機質な会計にもロマンを感じます。

 

 大航海時代は、一つの航海が終わると出資者に報告し、お金を分配しました。しかし、現在の会社組織は、事業を継続して会社を成長させ続ける仕組みです。大航海時代のように終わりがありません。

 

 そこで、出資者に定期的に会計報告し利益を分配できるように、一定の期間で区切りを設けたのが「会計期間」です。制度会計の会計期間は通常1年で、年1回決算をして株主総会に報告します。

 

 会計期間は、継続するビジネスのために設けられた暫定的な区切りですが、報告・分配するための重要な区切りです。

 

 ゆえに、一度確定した報告を後から遡及して修正することは、原則として認められていません。それを認めてしまうと、定期報告・分配の仕組みが成り立たなくなってしまうからです。

 

 一方、管理会計の会計期間は通常1ヵ月です。月1回決算(月次決算)をして経営者に報告します。管理会計は経営のために会社が自由意思で実施するものですから、制度会計ほどの厳格さは求められていません。

 

 しかし、だからと言って月次決算で遡及修正を許すのは非常に危険です。

 

 現在の業務システムや業務プロセスは複雑に絡みあっています。販売管理システム→債権管理システム→会計システム→連結会計システム→経営報告レポートと、データがバトンリレーのようにつながっています。

 

 当月になって前月分の売上計上漏れを発見したとしても、前月分のシステム処理が終了しているならば、当月分として処理しなければなりません。

 

 仮に販売管理システムに前月分として入力してしまうと、連携している債権管理システムや会計システムと整合性が取れなくなってしまいます。もう一度、全部のシステムでデータを再取り込みしない限り、この差異は解消されません。

 

 通常はこのような事象を防止するため、システム上、月次締め後は前月分を入力できないよう機能を制限しておきます。しかし、自社開発したシステムだと、現場の業務要求を聞き入れ、過去データを自由に修正更新できるようになっていることも少なくありません。

 

 決算早期化、業務プロセスやシステム単純化のためには、月次決算の締め後の遡及を禁止し、それを担保する仕組みづくりが大切です。

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