新規事業に関して「現場から事前相談がない」「情報が届くのが遅い」「内容確認に時間がかかる」「後々の処理のことを考えていない」・・・管理部門からは、よくこのような困りごとを聞きます。

 

 どの会社でも身に覚えがある話ではないでしょうか。一時期テレビで「あるあるネタ」が流行りましたが、まさにこれはベンチャー企業あるあるです。

 

 ベンチャー企業は、新規事業を次々と立ち上げ、すべてが整っていない状態でも、まずやってみます。そのため失敗も多いのですが、このフットワークの軽さこそ、ベンチャースピリッツです。

 

 ゆえに、新規事業の立ち上げでは、経理や法務などの管理部門と十分相談することなく進められることも少なくありません。

 

 しかし、ビジネスは取引だけでは成立しません。取引に関わる法令順守や経理処理を含めた一連の仕組みがあってこその事業です。担当者が知らない法律や条例があったり、契約内容一つで会計処理が異なり売上がすぐには計上できなかったりすることもあります。

 

 現場担当者が新規事業をスタートさせることばかり考えてしまうのは、ある意味致し方がないことですが、すべてが完了する前には管理部門ときちんと相談することが不可欠です。

 

 どうしたら現場が事前相談してくれるか。管理部門ができる対策を考えてみましょう。

 

 

■対策1 事前相談の義務化

 新規事業を検討するに当たり、もし予算取り等で稟議や申請があるならこれを利用します。事前相談を義務化し、法務部・経理部の相談が終わっているか否かをチェック項目にするのです。

 

 新規事業の中には、契約書が締結していないで事が進むこともあるでしょう。新規の正規契約書締結は時間がかかるものです。しかし法務部への事前相談により担当者が法務リスクを多少理解するだけでも、リスクは大幅に低減します。

 

 また稟議や申請は電子化して、法務部・経理部にも閲覧権限を与えます。いつでも情報取得できれば、請求書が届いてから経理が初めて知るようなことはなくなります。

 

 

■対策2 相談窓口を作る

 事前相談がなくて困っていると言う割に、管理部門では相談窓口がなかったりします。「部内の誰に聞いてもらってもよい」というのは管理側の都合です。新規事業の構想段階から関与するには、管理部門内で経験豊かな特定の人を置き、当面は部内でも秘密厳守で当たらせるべきです。

 

 相談窓口を置いて社内に正式に告知するだけでは足りません。窓口の認知を高めるのと教育啓蒙を兼ね、定期的に新規事業で良くある問題点や情報を発信することです。

 

 また新規事業担当は少数でしょうから、相談窓口になった人は個人的な人間関係を構築することも大切です。

 

 

 とりあえず2つ対策を挙げてみました。現場部門は新規事業の立ち上げで常に頭がいっぱいです。管理部門に情報が下りてくること、事前相談に来ることが当り前とは考えず、管理部門自らが現場部門に働きかけましょう。