私は組織上、人は3つのタイプに分かれると思っています。Aタイプは、受け身の人です。与えられた仕事は真面目にやりますが、自らが考えて主体的には動かないタイプです。

 

 Bタイプは、自分に期待される役割がわかっていて、一つ一つの指示がなくても必要な仕事をこなせる人です。要領がよく頭の回転も速いです。部門のエース的な存在です。

 

 Bタイプは優秀な存在ですが、その大半は自部門という枠にはまっています。自部門を良くし、自部門の業務を安定させることに満足しています。所属部門の領域を超えた課題を、積極的に解決しようとはしません。

 

 その結果、プロジェクトの打合わせや担当者ヒアリングでは「そうしたいけど、あの部署が対応してくれない」や「それは、うちの仕事ではない」といったような言葉を聞くことになります。

 

 しかし、重要な経営課題は部門内よりも、部門と部門の間に存在しています。規定されていない課題、分類できない課題、ビジネス環境が変化して合わなくなった課題、それらを解決するためには、部門の垣根を超えて対話や協議することが欠かせません。

 

 Cタイプは自部門だけで解決できない課題も、必要だと思えば他部門を巻き込み、責任感を持って解決できる人です。他部門も動かすのは至難の業です。でも、その解決が会社にとって本当に必要だと思うなら、自分の信念を貫いて突き進みます。

 

 優れたビジネスリーダーは、セクショナリズムで自己の責任を限定しません。より大きな視点で課題を解決するCタイプです。

 

 このようなCタイプは大変希少です。Cタイプの中には「持って生まれた性分がCタイプ」という人もいますが、Bタイプの人が企業の中で成長し、Cタイプに進化するほうが多いと思います。

 

 ある時、打合わせの中で、部門と部門に横たわる重要課題が長い間放置されていたことがわかりました。両部門で少しでも話し合いができていれば、問題にならなかった案件です。

 

 それを知った担当取締役が、ボソッと「おれらの時代だったら、当たり前に話し合いで解決できていたのに、いつからこんな関係になったのかなあ」となげいていたのが印象的でした。Cタイプの人材をいかに社内に増やすことができるかが、ビジネスを大きくするためのカギです。

 

 実際に事をなすためには、ある程度の経験、地位・役職、他部門のキーマンとの人間関係も必要です。一朝一夕でCタイプになれるものではありません。見込みある若手を育成していくことが大切です。

 

 具体的には「場を与える」、たとえば株式上場やシステム構築、業務改革などの全社プロジェクトを経験させると良いと思います。会社全体を考える視野も身に付きますし、プロジェクトを通じて他部門メンバーとの絆も深まります。