再生案件の会社を見ていると、業績が低迷する原因に共通点があります。それは「基本的な仕組みが整っていない」と言うことです。

 

 もちろん市場環境の悪化などの外部要因もあります。それでも基本的な営業の仕組み、業務の仕組み、システム、それらが整っていたら、もっと高い競争力を維持できていて、業績はそこまで悪くはならなかっただろうに、と思います。

 

 たとえば、営業で言えば「担当者の営業活動を管理するPDCAの仕組みがない」「見積提出の際のチェックリストがない」「価格を値引きするルールがない」「提案書や契約書を定型化していない」などです。

 

 広告・マーケティングだと「結果分析をしていない」「顧客層を絞り込めていない」「顧客リストや見込客リストを更新していない」「ホームページが古すぎる」「販促資料のデザインや文言に無頓着」。

 

 管理で言えば「伝票・申請類が電子化されていない」「10年以上業務を見直していない・報告書の様式が変わっていない」「業務マニュアルを作成していない」「現場部門とコミュニケーションが取れていない」などです。

 

 このほかにも製造業の工場、小売業の店舗、卸売業の倉庫などもありますが、どこも同じようなものです。

 

 これは非上場企業に限った話ではありません。基本の仕組みが整っていない上場企業はたくさん存在しています。上場・非上場の区別はありません。

 

 どちらかと言えば、社歴が長い会社ほど基本の仕組みを疎かにする傾向が強くなります。従来のやり方で業績が良かった時を経験しているがために、慣れ親しんだ業務を変える必然性をあまり感じていないのです。

 

 しかし、ビジネスは変わっていきます。それに合わせて業務もキャッチアップしていかなければ、いずれ業績が低迷するのは当たり前です。どんな企業でも徐々に新しい仕組みを取り入れ、業務を改良していかなければなりません。

 

 ただし、それは最新のITや革新的な仕組みを導入するという話ではありません。ついつい雑誌等の最新事例に目を奪われがちですが、それはあくまでメディア受けと考えるべきです。

 

 そうではなくて、もっと基本の仕組みの導入・改善で良いのです。それらは地味な内容ですし、社内的な評価はできて当たり前と思われるものでしょう。でも、その基本ができていないのが今抱えている問題なのです。

 

 今日お話ししたかったことは、基本の仕組みを今一度見直してみましょう、ということです。それほどお金をかけなくても、業績に大きく貢献する可能性があります。皆さんが思っている以上にライバル企業も基本の仕組みが整っていないものです。