経営の改善手法として「PDCAサイクル」を取り入れている会社は少なくありません。

 

 PDCAは、計画(プラン)・実行(ドウ)・評価(チェック)・改善(アクション)のサイクルを繰り返すことで成果を上げていく手法です。経営、営業活動、生産管理、管理業務など様々な局面で活用できます。

 

 そんなポピュラーPDCAですが、「PDCAの4つの中で最も大切な段階はどこだと思いますか」と尋ねると、面白いことに人によって意見がバラバラです。

 

 「P」を大切だと言う人は計画重視派です。適切なPが無いとDが上手くいきません。Dの内容が乏しいとCもAも今一つです。だからPが最も大事だと言います。

 

 「D」を大切だと言う人は少数派のようです。業務の場合、良い悪いに関わらず必ず実行しなければなりません。Dが滞るということはまれです。しかし、真剣に取り組むことは大切です。Dを一番にする人はそういう意図なのでしょう。

 

 「C」を大切だと言う人は常日頃、評価する立場の人が多いようです。評価が適切でなければ、次のAにつながりません。評価のスキル、適切なアドバイス、それによって成果が変わってくるのは確かです。

 

 「A」を大切だと言う人は、賢明な人だと思います。得てして改善活動は計画倒れ、やりっ放しになりがちです。きちんとPDCAサイクルを制度として落とし込む、しっかり結果を上げるためにはAは重要です。

 

 私は当初「P」を重要視していました。システムや業務改革などの大きなプロジェクトにおいては、実効性ある計画が欠かせません。そのためPDCAのPに力を入れていました。

 

 でも、中にはPに問題がなくても、期待するような成果が上がらないプロジェクトもありました。その理由を探ってみると、プロジェクトメンバーや関係者のプロジェクトに対する思いに原因があったように思います。プロジェクトの途中で熱意が冷めてしまうのです。

 

 そこで、ある時から「C」により重点を置くようになりました。Cが活性化するとメンバーの意識が高まるからです。

 

 具体的には、報告レポートや議事録に赤いれをする、質問する、一緒に解決策を考える、細かく助言するなど、メンバーへのリターンや指示を増やします。評価者がしっかりと時間と手間をかけると、それに呼応するようにメンバーが期待に応えてくれるのです。

 

 放っておくとCはPDCAの中で最弱になりやすい段階です。しかしPDCAサイクルを回すためには「C」が最も重要だと思います。本来のCの役割だけでなく、メンバーのやる気を引き出す効果を大切にしましょう。