管理部門が肥大化する。これは企業をコスト体質にするので大きな問題です。どの企業もそうならないように「もっと業務を効率化できないか」を模索しています。

 

 その際、多くの会社が業務ばかりにフォーカスし、重要なポイントを見逃しています。それは管理部門の役割や責任についてです。そこに手を付けない限り本当の意味で業務を削減することはできません。

 

 経理部を例にして説明しましょう。

 

 経理部が毎日、役員や営業部長に「売上日報速報」を提出しているとします。売上日報速報は、前日の営業所別の売上がわかる資料です。

 

 もしA営業所の売上が低迷していたとしたら、社長は営業部長に「A営業所はどうなっているんだ」と言うでしょう。まちがっても経理部に聞くことはありません。A営業所の売上責任は営業部長が負っているからです。

 

 では、もしB営業所が締切時間までに売上情報をシステムに入力をせず、翌日の「売上日報速報」のB営業所の売上欄が白紙だったら、誰の責任になるでしょうか。

 

 もちろん一義的にはB営業所長です。では、その監督責任は営業部長にあるでしょうか? それとも経理部でしょうか?

 

 組織図から言えば営業部長です。所長の上位者である営業部長に監督責任があります。しかし事実上の責任を持たされ、毎度フォローを行っているのは経理部です。

 

 経理部は時間が過ぎて入力していなかった営業所に対し、「まだ入力されていませんが・・・」と電話します。

 

 「ごめんごめん、今日は忙しいから明日の朝一でやるよ」と言われると、経理部の翌日の午前中は資料作りでつぶれます。

 

 「売上日報速報」の白紙は極端な例ですが、このような類のことは枚挙にいとまがありません。総務部しかり、情報システム部しかりです。

 

 業務ルールを現場に守らせるためには、権威か賞罰を与える権限が必要です。残念ながら管理部門に権威はありません。ほとんどの会社が「男尊女卑」ならぬ「営尊管卑」です。

 

 また管理部門には現場に賞罰を与える権限もありません。営業所に評価を下せるのは営業部長のみです。だから管理部門の言うことは、現場からないがしろにされやすいのです。

 

 管理部門は事務処理集計と情報提供が仕事です。それなのに、現場部門の事務処理を徹底・順守させるところまで、管理部門にフォローやコミットさせると仕事が膨れ上がります。

 

 管理部門の肥大化を防ぐためには、現場部門と管理部門の役割や責任を明確にし、その上で、役割や責任の範囲を超えた過剰サービスを集中的に削減します。