私はシステムベンダーのプレゼンによく立会います。さすがに100社とはいきませんが二桁後半は同席していると思います。

 

 独立した第三者が会社側の立場にたって、これだけの数のプレゼンやパッケージの説明を聞いた人もそうはいないでしょうから、今日は自分が強く感じている、ベンダーのプレゼンや選定で注意すべきことをお話しします。

 

 まずプレゼンの内容はどこも一緒かと思うかもしれませんが、ベンダーによって様々です。会社がつくったREP(提案依頼書)に沿って真摯に提案してくるベンダー、自社製品の説明だけして帰るベンダー、一体どんなシステムになるかを説明しないベンダー。

 

 「説明しないベンダーなどいるのか?」と言われそうですが、実際にいました。

 

 そのベンダーさんは「まずは発注して下さい。受注後に要件定義をして、どうするかはそこで一緒に考えましょう、とりあえず概算金額はこれくらいでどうでしょう。」というスタイルです。ある意味、究極のおまかせです。

 

 このように色々な提案形態がある中で、最も注意すべき点は「提案の良し悪しを見るのではなく、システムの良し悪しを見る」ということです。当たり前の話ですが、とても大事なことです。

 

 大手ベンダーのプレゼンですと、たいがい「立て板に水」です。事前に社内練習もやってきていて、聞いていても心地がよいものです。

 

 しかし、プレゼンは営業そのものです。口の悪い言い方をすれば、ベンダーにとって都合の良いことしか言いません。システム選定は何千万、何億円という案件ですから、どこも自社を選んでもらえるよう必死です。

 

 もしプレゼンを聞いて「何でもできそう」と思えたとしたら、一度冷静になって見ることをお勧めします。

 

 システムには必ず「できる事」「できない事」があります。何はできて何はできないのか。どこまではできて、どこからはできないのか。それを客観的に評価するのです。

 

 特に「できる」という言葉には幅があります。「こうすればなんとかできる」というレベルから「とっても便利に使える」と言うレベルまで、言葉の意味するところは広いです。

 

 そのため、「できる」と言う言葉を聞いて、実際の機能よりも「美しき誤解」をしてしまう人が実に多いです。そして、システム導入後に「こんなはずじゃなかった」「あの時、できると言ったのに」という羽目に陥ります。

 

 このような事態を防ぎ、適切にシステムの良し悪しを図るためには「質問」が強力な武器となります。大事なところ、あいまいになりやすい点について、いくつも質問して肝心な情報を引き出し、実態をあぶり出すのです。

 

 たとえベンダーから「できる」と言う答えがあったとしても、「どうやって実現できるのか」「実際の業務の回数・頻度はこれくらいだけどどうか」「それをする場合の所要時間は?」など、実際のシステム導入を想定して納得するまで質問します。

 

 システムベンダーのプレゼンに参加する方は、一方的に聞くだけの人が多いですが、それではいけません。自分たちが今後5年・10年使っていくシステムです。プレゼン中、プレゼンが終わった後でも良いですから、紛れが無くなるまで質問しましょう。