情報を「知る・見る」のと、情報を「活かす」のとはまったく意味が違います。せっかく新システムを入れたのに、データや情報を活用していないのなら、売上や利益は増えることはありません。

 

 システムの投資効果には、稼働後すぐに現れるものと、稼働後しばらくしてから現れるものの2種類あります。

 

 前者は「これまで手入力していた業務をシステムが肩代わりする」など、主としてコスト削減です。守りのITとも呼ばれ、安定稼働すれば効果を享受できます。

 

 一方後者は「蓄積したデータを分析して今までになかった販促キャンペーンを打つ」など、主として売上・利益向上策です。攻めのITとも呼ばれ、情報を分析・仮説・トライアンドエラーをしてはじめて効果を享受できます。

 

 攻めのITと言うと、基幹システムとは異なる別システムが必要かと思いがちですが、決してそうではありません。

 

 もちろんITを使って新しいビジネスモデルを立ち上げるのであれば別ですが、そればかりが攻めのITではありません。

 

 普通の基幹システムに埋もれているデータや情報から「何か売上や利益につながるヒントを見つけ、コツコツ実践していくことも立派な攻めのITです。

 

 昔、システムは「I/O」とも呼ばれていました。Input(入力)とOutput(出力)の機械だからです。

 

 システムが高度化し、システムの守備範囲が拡大したことで、インプット量は膨大になりました。しかし、それに比べるとアウトプットの活用は全然増えていません。

 

 汎用パッケージには、お決まりの帳票や出力画面しかありませんし、ユーザー側も、以前の経営管理資料があれば、たいがい満足しています。

 

 売上や利益を本気で増やしたいなら、もっと能動的に情報を活かすことを考えなければなりません。

 

 情報を見る・チェックするだけに慣れ親しみ、情報を探したり活用したりするアクションが圧倒的に不足している現実を変える必要があります。

 

 そのためにお勧めしたいのが「利益向上委員会」です。現場がよくわかっている人を少数精鋭で集め、新システムのデータを見て、仮説を立て、検証していくチームをつくります。

 

 そこで話し合われるテーマの多くは、マーケティングや販促キャンペーンになりますが、業務効率やコスト削減に関しても新たな発見があるでしょう。

 

 でも、利益向上委員会を組成したからと言って、売上や利益がすぐ増えると思うのは早計です。そう簡単にビックアイデアが見つかるなら、誰も苦労しません。

 

 しかし、大切なのは売上や利益こだわって意識的に知恵や気付きを出し合う場があり、考える時間があることです。

 

 ビジネスは同じことを繰り返していても、売上や利益など減っていく一方です。それに逆らう強い仕組みが必要です。