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2017.09.20  ヒューマンエラーを防ぐ思考

 業務やシステム、内部統制のしくみを考える上で、ヒューマンエラーをどのように防ぐかは、重要な話です。

 

 よくある仕組みが「二重チェック」です。ヒューマンエラーを完全に防げないならば、エラーがある程度発生することは容認し、もう一人が確認することでエラーを防止する仕組みです。

 

 たしかに二人が同時に間違える確率は大幅に低いので、二重チェックは効果が高い施策です。しかし、何にでも二重チェック化すると、緊張感が無くなり形骸化します。

 

 また、二重チェックは手間がかかります。確認作業とはいえ、もう一人がすべてに目を通すわけですから、事務コストが上がります。システムによる確認もありますが、その場合は開発コストがかかります。

 

 二重チェックは安易に多用すべきではなく、リスクが高いところに限定的に用いる手法だと言えます。

 

 ヒューマンエラーを防ぐために大切なことは、事後的にエラーを防止するのではなく、エラーそのものの発生を抑える、無くすという思考です。

 

 医療で言うと、病気を治す「治療」ではなく、病気にならない「予防」です。業務にも予防という思想を取り入れることで、エラーの発生率を大きく低減することができます。

 

 具体的に言うと、エラーの多くは、特定の取引先や商品だけ違う処理をする、50回に1回に特別な処理が発生するなど、特殊な場面で発生します。不規則・不自然な動きが、ミスを誘うのです。

 

 これは処理だけの話ではありません。普段と違う動作パターン、思考パターンも含みます。たとえば、システムの入力方法がここだけ順番が違う、単価×数量=金額のところに何か係数掛けする、などの変則的な動きです。書類や帳表のレイアウト、取引条件や社内組織の場合もあります。

 

 特に思考の流れは目に見えませんし、設計者の独自の癖が入りやすいと言えます。ですから、業務フローやシステムのI/O周りを考える際は、これらの不規則・特異点を減らすようにします。

 

 これを最も具現化したのが、マイクロソフトのOffice製品やアップル製品群でしょう。各社の製品を何か使えば、他の製品もなんとなく使えたりします。機能やデザインが統一されているのに加え、思考や動作の流れが理にかなっているので、わかりやすいのです。

 

 さらに、不規則や特異点の削減は、エラー防止だけでなく属人化を防ぐことにも役立ちます。業務の専門性が高くなくても特殊性が極まると、「A氏でないと、この業務はできない」となってしまいます。

 

 動作の流れを統一したり、思考の流れを秩序化したりして、ぜひセンスが良い仕組みを心がけて下さい。

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