管理会計は、財務会計と違い税法などの法律の縛りが無いため、企業が好きにして良いものです。

 

 しかし、人は「自由にして良いよ」と言われれば、逆に困惑します。どう考えればよいのか? どうしたら経営に役立つのか? 深く考えすぎてしまうようです。管理会計では、まずはやってみる。その上で調整していくことが大事です。

 

 伝統的な管理会計は、次の3つの要素でできています。

 

 

① 月次決算

 月次決算を財務会計と勘違いしている方も多いですが、月次決算は管理会計の一つです。財務会計上は、年度決算(上場企業は四半期決算も)だけあればよく、月次決算は会社が任意に作っているにすぎません。

 

 月次決算を財務会計として捉える人は、月次決算に1円までの正確性を求めようとします。一方で、管理会計として捉える人は、月次決算の精度よりスピードに主眼を置きます。

 

 経営に役立たせたいのなら、月次決算は早いに越したことはありません。考え方一つで作り方は大きく異なってきます。

 

 

② 部門管理と配賦

 部門管理は部門損益を見ることが目的です。各部署の管理者にとっては必要な数字です。しかし、費用の中には「どこの部署の負担か」、明確にはわからないものもあります。

 

 テレビに企業広告を出したら、それはどこの事業部の売上に貢献するかは判別できないでしょう。このような費用を「全社費用」または「部門共通費」と言いますが、これをどうするかが管理会計のポイントです。

 

 一つの方法は「配賦」です。企業広告の例で言えば、各部門の売上高の比率で按分するなど、何らかの基準を設けて費用を各部門に割り当てます。管理会計で部門管理と配賦はセットで考えるのはそのためです。

 

 ただし、配賦はあくまで仮で部門に割り当てたにすぎません。配賦を多用しすぎた数字は、経営実態を表わしていないことがあります。配賦の使い方や使いすぎには注意するようにしましょう。

 

 

③ 予実管理

 実績だけの数字を見ても経営的は判断がつきません。あらかじめ予算を策定し、予算と実績を比較してその「予算差異」を知ることで、経営に活かすことができます。

 

 一口に予算差異と言っても、予算の構成によってさまざまです。全社予算か部門予算か、年度予算か月次予算か。

 

 全社予算か部門予算かは、組織の集計単位のことであり、これは「部門管理」と連動しています。一方、年度予算か月次予算かは、期間の集計単位のことであり、これは「月次決算」と連動しています。

 

 つまり、伝統的な管理会計は、月次決算・部門管理・予実管理がそれぞれ単独で成立しているのではなく、3つの組み合わせです。経営に役立つ管理会計は、これらがバランス良く機能しています。