前回、伝統的な管理会計は、①月次決算、②部門管理と配賦、③予実管理という3つの要素をバランスよく組み合わせたものだと書きました。現在では、これらは当たり前すぎて、管理会計という意識すら薄いかもしれません。

 

 では、現代の管理会計、経営のためぜひやってほしい管理会計とはどのようなものか? ここでは3つ、取り上げましょう。

 

 

① セグメント管理

 セグメントとは、細分化することです。細分化することで問題点が発見しやすくなります。たとえば、得意先別売上高。どこが上得意先かがわかります。商品別売上高は、売れ筋商品がわかります。商品の入れ替えに使えます。

 

 しかし、セグメントには大きな欠点があります。それは、事務コストがかかるということです。

 

 たとえば、財務会計であれば、本日の売上10万円と伝票に一行で書けますが、商品別売上の情報を取ろうとすると、A商品売上3万円、B商品4万円、C商品3万円と、伝票に3行書かなければなりません。

 

 さらに、これが現金売上でなく掛け売上だとすると、得意先情報も必要です。甲社にA商品1万円、B商品2万円、C商品1万円。乙社にA商品に2万円、B商品1万円、C商品1万円。丙社にB商品1万円、C商品1万円と、伝票に8行書かなければなりません。

 

 大昔の話ですが、会計システムにセグメントを4,5個設定して、1項目に数千~万単位の種類があって、システムがフリーズしてしまったと聞いたことがあります。1万×1万×1万×1万となると、どれだけのデータ量になるか、最初からわかるでしょうに・・・。過度なセグメントは危険です。

 

 

② 貢献利益

 利益と言えば、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」などが思い浮かびますが、これらはあくまで財務会計の利益です。管理会計では、利益すら自由に決められます。

 

 卸売業であれば、売上高から、売上原価と販管費の運送費を引いたものを貢献利益とします。貢献利益率の推移をみることで、適切な価格がついているかがわかります。

 

 たとえば、売上総利益だけを見ていては、ガソリン代の値上げを見逃してしまいます。営業利益だけを見ていても、運送費以外の他の費用がありますから、価格の妥当性はわかりません。

 

 貢献利益は非常に実践的な概念ですが、「利益=財務会計の利益」としか考えない人が多いため、あまり活用されてないようです。

 

 

③ 変固分析

 変動費と固定費にわけるのは、損益分岐点を知るための大局的な観点もありますが、現場の予算管理にも役立ちます。

 

 売上高が予算を上回れば、連動して変動費も予算を上回るのが普通ですが、変動費と認識していないと、コスト予算をオーバーしたことだけが問題となってしまいます。

 

 また、売上高が大幅に増収になれば、固定費が多少増えても、気にしなくなります。それが続くと固定費の管理が緩くなっていきます。

 

 変動費と固定費とは、属性に合わせて正しく管理しないと、何の意味もありません。

 

 管理会計にとって大切なのは、手間を極力かけずに、いかに有益な情報を引き出すかです。PDCAを廻しながら、自由な発想で自社の管理会計を向上していきましょう。