最近、テレビや雑誌で「バブル世代」の話題をよく見かけます。バブル世代とは、生まれで言うと1965年から1970年ごろだそうです。私は1969年生まれなのでドンピシャです。

 

 平野ノラのバブル芸や「バブル世代が羨ましい」という肯定的なものもありますが、大半は否定的な内容です。バブル世代は役職につけない、2035年問題(60代後半で失業)、働かないおじさんなど、当事者としては聞いていてあまり良い気がしません。

 

 たしかに、バブル真っただ中の大学時代は楽しかったです。夏は海、冬はスキー旅行が定番で、ユーミンやユーロビートを聞きながらドライブ。就職活動は完全な売り手市場で、先輩・同輩も大企業に簡単に決まっていきました。

 

 しかし実は、バブル世代は世間が思うほど恩恵を受けた世代ではないと思います。バブル景気自体は1986年から1991年まで、バブル世代にとっては大学時代と社会人の新人時代が重なる程度です。経済面を考えると、20代前半でバブルだったのと、30代・40代でバブルだったのとでは大きな開きがあります。

 

 もちろん、氷河期時代をくぐり抜けた下の世代と比べると、それでも十分恵まれていると言えるでしょう。しかし、長い目で見ればどうか? なまじ良い時を知っていることが落差を感じさせ、逆にバブル世代を不幸にしているように思います。

 

 「あの頃は良かったなあ」 ふとした時に、良き時代と今の厳しい現実を比較してため息をついてしまう。バブルから何十年も経っているのに、本当のところでは現実を受け止め切れていない。時代が変わったことに気が付かないふりをしているのかもしれません。

 

 このようなことは、個人だけでなく成功体験を持つ企業にも言えるでしょう。こうしたら売上が上がった、利益が出た、ヒット商品が作れた・・・企業が長年培ってきた勝ちパターンは、社内で強烈に指示されています。

 

 市場や顧客、ビジネスが大きく変わっているにも関わらず、成功時と同じやり方を続け、期待するほどの成果がでないことに悩む。改革に取り組んでも、なかなか抜本的なレベルまでは至らない。

 

 人は勝ちパターンがあると、どうしても、その延長線で物事を進めようとします。心配ごとがあっても、本音では「今のままでも何とかなるのでは?」と楽観的に考えます。

 

 でも、それは人として自然なことです。むしろ成功体験を断ち切って、ゼロベースで考えるほうが難しいです。言ってみれば、改革とは「不自然」なことなのです。

 

 過去の良き時代・成功にとらわれず、今の現実をいかに直視できるか? これからの時代、バブル世代と過去に成功体験を持つ企業にとっては正念場です。あえて改革という不自然さに向かっていきましょう。