新年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 

 正月の楽しみと言えば、「おせち料理」です。わが家では、毎年決まったところから買っています。

 

 10年前に、ある地方に家族旅行にいったのですが、そこで泊まったホテルの食事がとてもおいしかったので、そのホテルの「おせち」を取り続けています。

 

 例年9月になると、わが家にはホテルからおせちのダイレクトメールが届きます。それを見て、いつも「もうおせちの時期か・・・」と、年末が近いことを感じます。

 

 しかし、今回はDMの内容が少し変わっていました。これまではずっとワンパターンの内容だったのに、今年は2か所、違っていたのです。

 

 1つは特典です。従来は9月中に申し込むと、優待価格(3,000円割引)という制度でした。

 

 今回は特典の選択肢が増えていたのです。特典が優待価格だけでなく、「松坂牛のなんとかプレゼント」、「伊勢海老のなんとかプレゼント」など、品物(5,000円相当)も選べるようになっていたのです。

 

 我が家は「お正月だし、おいしい一品を増やそう」と、「伊勢海老なんとかプレゼント」に飛び付きました。

 

 その時は、品数が増えてお得感を感じましたが、よく考えてみると、これは追加で3,000円買い物したことと同じです。お客に喜びを与えながら、ホテル側の売上を増やす、とても良い変更だと思いました。

 

 もう1つは代金の支払方法です。従来は「銀行振込」でしたが、「代金引換」に変わりました。これは一見、ホテル側にとって不利益のように感じます。

 

 代金引換だと代引手数料がかかります。さらに、銀行振込だと9月中に支払いを済ませる人もいるのに、代金引換にすると、すべての入金が翌年の1月以降になってしまいます。コスト面・資金面から、あまり良い変更とは言えません。

 

 しかし一方で、社内業務は代引きにすることで大幅に簡略化できます。

 

 従来の業務は「①注文FAX受領」→「②電話で注文確認」→「③着金確認」→「④入金消込」→「⑤督促確認」→「⑥品物出荷」→「⑦債権回収」です。

 

 代金引換にすれば、上記の③、④、⑤、⑦が省略できます。

 

 入金消込や債権回収は、思いのほか煩雑な業務です。普段から取引がある法人なら別ですが、おせちだけの個人客相手でしかも全国となると、かなりストレスと手間がかかります。

 

 売上(注文数)が増えれば増えるほど、業務上の大きな問題となっていったことは、容易に想像できます。

 

 この問題に対しては、WEB対応、通販専用システム、BtoC向けの債権管理システム、仮想口座など、色々な対策が考えられますが、ホテルが出した答えは「代金引換」でした。

 

 売上の規模感、おせちという季節限定商品(年1回)を考えて、代引きのコストパフォーマンスがベストだったのでしょう。

 

 老舗ホテルが10年目で初めて試みた、マーケティング的な工夫と、BPR(業務改革)的な工夫。長年当たり前だったルーチンワークの中にも、仕組み改善のチャンスは転がっています。