「おまえ、さしずめインテリだな!」

 「それを言っちゃおしまいよ!」

 

 これらのフレーズにピンと来た方は、昭和生まれですね。そうです。これは「男はつらいよ」の寅さんのセリフです。

 

 私は「男はつらいよ」が好きです。もし上映されていた当時に今の年齢だったら、盆暮れの年2回、必ず映画館に足を運んでいたでしょう。

 

 2018年の正月も、寅さんを見ました。「男はつらいよDVD全巻セット」も持っていますが、今はもっぱらVODです。今回のマドンナは、大原麗子と竹下恵子。やはりきれいでオーラが違います。

 

 寅さんを見ている時間は、昭和にどっぷりつかります。どこか懐かしい風景を見て心がなごみます。でも一方で、その当時と今の時代を比較している自分もいます。

 

 昭和の連絡手段といえば、家の黒電話か、たばこ屋に置かれた黄色の公衆電話。スマホはおろか、メール、携帯電話すらありません。

 

 昭和のメディアといえば、新聞・雑誌か、テレビ。今も現役ですが、当時と今とでは存在感が圧倒的に違います。

 

 そして、これらはビジネスモデルをも大きく変化させました。

 

 昭和はコミュニケーション手段が限られているので、人と会わないと何も始められません。人と人が会う対面営業、直接営業が重要だったことが、映画のシーンからも伝わってきます。

 

 会社はバイタリティある営業担当をたくさんかかえ、人海戦術で攻めていく。そのような営業スタイルに価値があったわけです。

 

 これに対して、現代はメール・チャット・SNSなど、非接触のコミュニケーションツールが主です。対人関係が苦手な人や、人と話すのが「面倒・おっくう」と感じる人が増えています。

 

 社内の飲みニケーションが少なくなったり、引きこもりが社会現象化したり、買い物は全部ネットで済ませたりするのも、その現れでしょう。

 

 もちろん今も対面営業は重要です。でも、「直接会うこと」に昭和ほどの営業価値が無くなってきているのは事実です。

 

 では、メディアはどうでしょうか。昭和の時代は、大衆が情報や娯楽を得るには、新聞・雑誌、テレビしかありませんでした。ですから、これらには絶対的な広告価値がありました。

 

 しかし、今やヤフーのポータルサイトが無料かつ即時に情報をとどけます。さまざまなSNS、ネット動画、オンラインゲームが、個人個人にあった多様な娯楽を提供しています。

 

 メディアが多様化したことで、新聞・雑誌、テレビは完全に凋落しました。まさに銀幕時代の映画が、テレビに取って代わられたのと同じです。歴史はくりかえします。

 

 圧倒的なメディアが無くなったことで、もはや「広告を打てば売れる」時代ではなくなりました。売るためには、集客方法やマーケティング戦略に相当な工夫をしなければなりません。そのためのお金も余計に必要です。

 

 今の時代は、昭和と比べると売上をつくることが圧倒的に難しくなりました。昭和の営業と広告の手法が通じなくなったのです。

 

 もう平成も終わろうという時代です。

 

 昭和のビジネスモデルや営業スタイルをいまだに引きづっていたら・・・「それをやってちゃおしまいよ!」と寅さんに言われそうですね。