今年1月に「デジタル・ガバメント実行計画」なるものが閣議決定されました。

 

 内容を一言でいうと「これから5年で行政サービスを大改革しよう」という話です。これまでも政府主導の電子行政の試みはありましたが、今度のものは本気度が違います。文章のあちこちに“やる気”を感じます。

 

 たとえば、次のような感じです。

 

 『この際、サービスのフロント部分だけでなく、バックオフィスの業務における情報のフローを一から点検した上で、書面や対面の原則、押印等のデジタル化の障壁となっている制度や慣習にまで踏み込んだ業務改革(BPR)の検討を行う』

 

 行政といっても、やっていることは一般企業の間接部門や事務方と大して違いはありません。自社の業務改革にも参考になると思いますので、ぜひご一読をおすすめします。

 

 なかでも必見は「サービス設計12箇条」です。「うんうん、わかるわかる」「そだねー」と思わず頷いてしまいます。

 

第1条 利用者のニーズから出発する

 ここでの利用者は、行政サービスをうける「国民」と、サービスを提供する「職員」の両方を指します。社内で「国民」と「職員」は誰なのかをあらためて確認しましょう。

 

第2条 事実を詳細に把握する

 思い込みや仮説でサービス設計していませんか? 多少のヒアリングや資料でわかったつもりになっていないでしょうか? きちんとした可視化が大切です。

 

第3条 エンドツーエンドで考える

 サービスや手続の一つ一つではなく、その前後も含めた行動全体の一連の流れの中で考えましょうという主旨です。

 

第4条 全ての関係者に気を配る

 デジタル機器が使えない人もいます。取引先にもFAXでしか発注書が送れない先もあるでしょう。すべての関係者がWINWINになる方法を考えます。

 

第5条 サービスはシンプルにする

 行政手続はめったに利用しないものばかりです。申請書の様式やシステムのメニュー画面など、一見してわかる仕組みが大切です。

 

第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める

 「紙(EXCELを含む)」より「デジタル・IT」を優先すべきです。データ化の意義は検索・集計のフェーズにあります。

 

第7条 利用者の日常体験に溶け込む

 システムでもTPOを考えない開発が多すぎます。いつ・どのように使われるかを理解できないと本当の意味でユーザーフレンドリーなものはできません。

 

第8条 自分で作りすぎない

 すでにパッケージやクラウドサービスがあるのに、一から作り込みするのはナンセンスです。また要望からあるからと言って、過剰な機能をつくり込むのもダメです。

 

第9条 オープンにサービスを作る

 関係者に情報公開しながら作るという主旨ですが、その後の変化に対応しやすい拡張性がある仕組み、という考え方があっても良いと思います。

 

第10条 何度も繰り返す

 試行的に実施して、フィードバックを踏まえてサービスを修正していく話です。仕組みはPDCAを回してはじめて効果が増加します。

 

第11条 一遍にやらず、一貫してやる

 大きなプロジェクトは一度に完璧なものをつくろうとしない。予算や時間には限りがあるのですから、優先順位を決めて最低限のスタートを考えます。

 

第12条 システムではなくサービスを作る

 システムは近視眼てきになりやすいものです。システムの安定稼働は大切ですが、システムが動くこととシステムが使えるということは別な話です。

 

デジタル・ガバメント実行計画