41日の日曜に「サザエさん」を見ました。「サザエでございま~す!」という、いつもと変わらない和やかなオープニングでしたが、いつもと違うことが一つありました。

 

 そうです。CMスポンサーのところに「東芝」の社名がなかったのです。

 

 東芝は、屋台骨の一つであった原子力事業の失敗で、いま虎の子の事業や子会社を切り売りしています。今回、BtoC事業のウエイトが低下したことを理由に、48年続けた「サザエさん」のスポンサーを降りました。

 

 わたし達の世代は、小さいころから「サザエさん=東芝」「世界ふしぎ発見=日立」で育ってきました。サザエさんによる東芝ブランドの浸透力は絶大なものがあります。

 

 しかも、「サザエさん」みたいな家庭向けの優良コンテンツは、数えるほどしかありません。そのような貴重なスポンサー枠を一度手放せば、二度と手に入れることはできないでしょう。

 

 今回の降板は、はたして正しい選択だったのか?

 

 同じような話が、プロ野球の日本ハム新球場問題です。2年前、日本ハムが現在の札幌ドームから出ていくことを決め、新球場を札幌市と札幌に隣接する北広島市で争っていました。

 

 先月末、日本ハムは北広島市に新球場(北海道ボールパーク)をつくることを決めましたが、そこまでの経緯や対応は、札幌市と北広島市では対照的でした。

 

 北広島市は、新球場誘致を「究極の地方創生」として、市長自ら率先して熱意あふれる誘致運動を繰り広げました。

 

 一方、札幌市は、新球場には懐疑的だったようです。できれば札幌ドームを使い続けてほしいという思いもあり、あまり熱心な誘致運動はしませんでした。

 

 結果、下馬評をくつがえして北広島市に決まるわけですが、札幌市は事の重大さに気づいたでしょうか?

 

 2017年の日本ハムの観客動員数は208万人(主催試合)です。これだけの人を呼べるコンテンツは、日本ハムのほかに札幌市にはないでしょう。

 

 日本にはプロ野球球団はたった12チームしかありません。究極のコンテンツとも言えるプロ野球球団の本拠地が、地元にあるのとないのとでは天と地の開きがあります。そのことを札幌市が少しでも理解できていたら、誘致活動はもっと違ったものになったことでしょう。

 

 現代はSNS・インターネット・ゲームなど、人の注意を引くものであふれかえっています。その結果が、テレビの視聴率低下、新聞・書籍・雑誌の販売下落につながっているわけです。

 

 これから人の注意を引けるコンテンツは、ますます貴重で価値が高いモノとなります。サザエさんと日本ハム。逃した魚はとんでもなく大きいように思います。