どんなシステムを作るか? その足掛かりとして大切なのが、担当者へのヒアリングです。なぜなら、実際に業務をやっている人が内容に一番くわしいからです。

 

 この“ヒアリング”という手段は、かんたんそうに思えるかもしれません。しかし、実はそうではありません。ヒアリングの仕方やまとめ方が悪いと、システム開発をミスリードしてしまいます。

 

 今回は、ヒアリングする際に、注意すべきことを2つお話ししましょう。

 

1.何でもかんでも自動化する

 今のドラえもんの歌は知りませんが、私たちの世代のドラえもんと言えば、「こんなこといいな♪ できたらいいな♪」というフレーズです。夢や空想を実現してくれるドラえもんらしい、すてきな歌詞です。

 

 現場の担当者はシステムに詳しくない人が大半なので、ヒアリングするとドラえもんにねだるように「あれも自動化してほしい、これも自動にしてほしい」と言ってきます。

 

 それを真に受けると、本当にシステムで実現しなければならないリクエストと、ある意味あってもなくてもどうでもよいリクエストが混在します。そして、システムの金額や開発期間は跳ね上がり、プロジェクトは迷走をはじめます。

 

 仮に自働化をリクエストするならば、その業務が月何件発生していて、それを行うのに1回どれくらいの時間がかかっているのか? それが自動化されると、ほかにどのような利便性があるのか?(蓄積データを利用できる等) システム開発の負荷はどの程度か?

 

 これらを整理して、システムベンダーに本当にリクエストするか否かを決めなければなりません。

 

 

2.肝心な機能が抜ける

 適切な現行システムが稼働していていれば、主要な機能はすでに存在します。それをベースとしたリプレイスであれば、ヒアリングで肝心なことが抜けることはないです。

 

 しかし、いまシステムがない業務、あるいはシステムはあるが適切でない場合のヒアリングは、注意が必要です。

 

 現場の担当者は、基本いまやっている業務の延長線でしか受け答えしません。今やっている業務を楽にするのが、次期システムだと思っているからです。

 

 ですから、ヒアリング内容をそのまま使うと、次期システムで本来つくらなければならない大切な機能が漏れてしまいます。そうすると、いつまでたっても業務やシステムは改善していきません。

 

 このような時は、あるべき業務のあり方・プロセス、一般的なパッケージシステムの標準機能を、あらかじめ勉強して、それを踏まえながらヒアリングします。必要とあれば現場と新たな業務も考えます。

 

 肝心な機能が抜け、不要不急の機能ばかりが実装されたシステムほど、ムダなものはありません。ヒアリングする際は、きちんとこの2点を押さえてヒアリングしましょう。.,