先日、要件定義の打合せで、システム会社の担当者から、次のように言われました。

 

 「この機能は、どの会社さんもカスタマイズしていますよ」

 

 担当者本人は、特に悪気はなかったと思います。しかし、この発言は、事と次第によっては、物議をかもしだす問題発言です。いったい何が悪かったのか?

 

 パッケージシステムは既製品です。パッケージの機能と自社の求める仕様が100%合うなんてことは、まずありません。

 

 ですから、合わない部分は、会社が運用を工夫したり、がまんしたりして使います。どうしても無理なところは、費用をかけてパッケージを改修します。

 

 一方で、最初からカスタマイズを前提にしている機能もあります。会社によって求めるものが違い過ぎるので、最初から十分につくっていないのです。たとえば、帳表などです。

 

 そのような場合は、最初の見積金額に帳表のカスタマイズ費用を含むのが普通です。費用がかかるのがわかっているのに、当初の見積もりに入れなかったとしたら、それは信義則に反します。

 

 もしパッケージとして標準機能を持っているのに、「どの会社もカスタマイズする」となれば、話は変わってきます。

 

 たとえば、債権管理システムで明細消込する標準機能はあるが、消込画面には明細番号と金額しか表示されないとしたらどうでしょう? 商品名や売上計上日などの追加情報がないと、実際の消込作業をすることはできません。

 

 その業務を普通にやるのに大きな支障が出るのであれば、パッケージが持つ標準機能そのものに問題がある可能性があります。問題がある機能を会社側が費用負担して、カスタマイズするのは筋違いです。

 

 冒頭の発言は、自らパッケージの機能に問題があることを示唆したと、捉えられかねないから問題発言だったわけです。

 

 標準機能のままだと普通の運用では使えない。同等クラスの他社パッケージと比べて明らかに劣っている。フィット&ギャップ分析で、そのような仕様が見つかった際は、きちんとパッケージベンダーと話し合いましょう。

 

 パッケージと自社の「適合度」とパッケージの標準機能の「完成度」は異なるものです。

 

 適合しない部分のカスタマイズ費用は会社側が負担すべきですが、完成度が低い機能を改良する費用は、パッケージベンダーが持つのが正しいあり方です。

 

 そうは言っても、ベンダーが100%費用負担してくれるケースは少ないですが、ベンダーと会社で費用が折半になるだけでも、開発コストは抑えられます。