予算管理が「ほんとうに業績向上に役立っているか?」と問われると、どうでしょう? 大半の人が「数値目標を押し付けられているだけ」と答えるかもしれません。

 

 売上予算しかり、経費予算しかり。予算達成に向けて努力することは大切ですが、それが必達となると、東芝の“チャレンジ”の二の舞です。

 

 昭和どころか平成も終わろうとしている時代に、何十年も変わらない予算管理の手法を続けても、経営は良くなりません。予算管理に対する考え方を少し変えてみましょう。

 

 

売上予算

 売上予算で、よくある設定の仕方は「前期比何%増」です。営業所や店、商品セグメントごとに、前年実績を踏まえて、「今年はこれくらいいけるだろう」という数字で、今年度の予算を考えていきます。

 

 しかし、これだと非常にアバウトです。右肩上がりの時代(もう何十年も前ですが・・・)ならいざしらず、「去年の自分を超えていけ」というスタイルは適切ではありません。

 

 金額には、その数字にいたった背景というものがあります。

 

 たとえば、店舗を持つ小売業ならば売上は「来客数×購買平均単価」に分解できます。このとき「来客数」や「購買平均単価」をパラメータと言います。来客数のパラメータは、男女別、年代別などさらに細かく分けることができるでしょう。

 

 売上予算はパラメータで考えます。前年実績の来客数を5%増やす、あるいは購買平均単価を1,000円アップさせるなど、パラメータの目標数字を決め、それを掛け算して出てくる金額(結果)を売上予算とするわけです。

 

 分解したパラメータの目標数字がわかれば、具体的な施策につながります。来客数を5%増やすために月1回のキャンペーンを月2回にしよう。あるいは、購買平均単価を1,000円アップさせるために、接客時間を増やそう。そのために、店舗事務を本部に一部移管しようなど、アイデアが出てきます。

 

 また、法人営業ならば、どうでしょう。ビジネスによって違いますが、たとえば、売上が「訪問回数×見積回数×見積単価×成約率」の4つのパラメータで構成されるとしましょう。

 

 営業マンの訪問回数%増やせば、見積回数が同率アップして、見積単価と成約率が前年と一緒だったとしても、売上は増えます。

 

 「それは計算上の話で営業は気合いだ!」という人もいるかもしれません。しかし、データというものは本当に面白いものです。一定の母体数があれば、結果は予測どおりに現れます。

 

 だからこそ、マーケティングの世界には“ファネル”や“コンバージョン率”という概念があるわけで、営業活動であろうと統計データを馬鹿にはできません。

 

 金額だけで売上予算を決めると、現場は数値目標を押し付けられたと感じます。さまざまなデータが取れるようになり、それを分析できる時代です。パラメータの予算管理で、施策と一緒に実現可能な売上予算を考えましょう。

 

 今日はここまでです。経費予算は次回お話しましょう。