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 2001年に発売され、日本でもベストセラーになった「ザ・ゴール」。経営・業務改革のサクセスストーリーです。著者のゴールドラット氏の提唱した「TOC制約理論」、「スループット会計」は、私にとっても興味深いものでした。

 

 スループット会計は、狭義の直接原価計算とも言われています。直接原価計算は、原価を変動費、固定費に分類集計します。通常、製品単位当たりで捉えるのは「変動費」のみで、直接材料費、直接労務費、変動間接費の3種類で構成されます。

 

 これに対し、スループット会計の変動費は、直接材料費のみです。直接労務費、変動間接費は固定費(スループット会計用語では「業務費用」)として扱います。

 

 原価集計目的、「1製品を、作業者が何時間で加工したのか」という、製品加工と作業時間の関係性から考えれば、直接労務費は変動費です。しかし、キャッシュ目的、「1製品を加工しなければ、その支出は本当に発生しなかったのか」という、製品と賃金支出の関係性から考えれば、月給制なので直接労務費は固定費と言えます。

 

 追加支出を予測し、全社(事業)スループット(キャッシュ)を最大化するための戦略を考えるための会計(原価計算)が、スループット会計です。現代の生産管理システムでは、求める原価計算目的に合わせ、複数の原価計算ロジックを扱える仕組みが必要です。