規程の種類 その3

規程の種類 その3

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 組織運営について定めた組織規程には、例えば、以下の規程が入ります。

 

 ●組織管理規程

 組織管理規程は、文字通り、部署や役職など会社の組織について規定しています。別表で組織図が作られたりします。

 

 

 ●業務分掌規程

 業務分掌規程は、各部署の役割、仕事などを規定します。例えば、総務部という部署は、いわゆる総務・庶務の仕事以外に、人事、あるいは、法務を受け持つことがあります。ここら辺を決めているのが、この規定になります。

 

 

 ●職務権限規程

 職務権限規程は、役職それぞれにおける権限を規定しています。部長は1000万円以上の決済があるとかを決めています。

 なお、規程では主だったものを決め、詳細については別表「職務権限表」で一覧にしていることが多いです。業務分掌規程と職務権限規程は、それぞれ会社組織の横と縦を規定するもので、マトリクス的な関係です。

 

 

  ●稟議規程

 稟議規程は、稟議書の記載内容、回付ルートなど稟議に関する運用事項を規定しています。

 

 

  ●規程管理規程

 規程管理規程は、規程の種類、内容、主管部署、承認権限者など諸規程に関する事項を規定します。

 なお、規程管理規程は、組織規程の中ではなく、基本規程、あるいは、総務規程に入れられるケースもあります。

規程の種類 その2

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 経営の基本事項を定めた基本規程には、例えば、以下の規程が入ります。

 

 

 ●定款

 定款は規程の中でも別格です。これがないと株式会社として存続できません。設立時から必須のもので、会社の目的ほか登記事項になっています。

 

 

 ●取締役会規程、監査役会規程

 取締役会規程、監査役会規程は、当然、会社の機関として「取締役会」、「監査役会」があることが前提です。

 ベンチャーですと、監査役会は設置していないけれど、複数の監査役を選任している場合があります。

 その時は、監査役協議会をフォーマルな会議体として設け、監査役協議会規程を設置する場合もあります。

 

 

 ●株式取扱規程

 株式取扱規程は、上場会社あるいは株式公開準備会社で、株式の名義書換代理人を設置している場合に作成する規程です。名義書換代理人である信託銀行からフォーマットを提供されます。

 

 

 ●経営会議規程

 経営会議規程は、会社のフォーマルな会議体として「経営会議」を設置している場合に作成します。

 経営会議、常務会、営業会議など色々な会議体の名称がありますが、フォーマルか否かは、組織管理規程において会議体として明記されているかが一つの判断基準です。

 正式な会議体であれば、その会議の出席者、決議ルールなどを規程化します。

規程の種類 その1

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 諸規程の中身についてみていきます。規程には色々な体系区分がありますが、一例としては次のとおりです。

 

 

 <体系>


  ●規程 : 会社の業務に関する取り決めで基本となるもの

 

  ●細則(要領) : 規程補充の必要から定める細部事項及び業務運営上の基準となる定め

 

  ●通達 : 規程及び細則(要領)の運用上、必要な業務連絡等

 

 

 体系は会社によっては、マニュアルなどもあるかもしれません。また、ベンチャーだと通達は単なる連絡事項としてフォーマル化していない会社もあるでしょう。

 

 

 <規程区分>


  ●基本規程 : 経営の基本事項を定め

 

  ●組織規程 : 組織運営についての定め

 

  ●人事労務規程 : 社員の勤務及び福利厚生などについての定め

 

  ●業務管理規程 : 所定の業務処理に必要な手続き(方針、方法)の定め

 

  ●総務規程 : 上記以外の業務の運営、管理の方法の定め

 

 

 この規程区分も一例にすぎません。業務管理規程を複数に細分化している会社もあるでしょうし、逆に人事労務規程を総務規程に内包している会社もあります。

 

 

 特に体系区分に絶対的なものはありません。大事なことは、規程全体で重要なルールを網羅し、業務が円滑に回るようになっていることです。

規程とは

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 規程は、会社のルールをフォーマルにしたものです。

 

 

 中小企業の多くは、定款や就業規則など法律上作成が必須な規程以外は作成していません。

 

 実際、規程がなくても業務は支障なく回ります。社長や上司の命令で、あるいは過去からの慣習で業務を行うことができます。

 

 しかし、会社の規模が大きくなってくると、そうも言ってられなくなります。経営者の目が届かなくなるからです。

 

 そのため、業務統制、業務効率化の観点から、何らかのルールが必要になってきます。

 

 

 必要に迫られて作成される規程が本当ですが、株式公開準備会社や上場会社の子会社になると、強制的に作成することになります。

 

 その際、市販のテンプレート集か何かにあてはめて作成すると魂が入っていないので、誰も見ない、使われない規程になってしまいます。

 

 規程は会社の法律です。現況の業務に合った適切な規程を作成し、きちんと順守するようにしましょう。

IFRS IAS第36号修正案

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 先月、IAS第36号「資産の減損」の修正案が公表されました。

 

 IAS36号はいわゆる「減損会計」ですが、日本基準と異なり、その減損兆候の認識範囲は広いです。

 

 一方、日本基準には減損損失の戻入れはありませんが、IFRSでは見積り変更があった場合には戻入れをしなければなりません。

 

 

 さて、今回の修正案の主たる目的は、エラー修正だそうです。IFRS第13号「公正価値測定」公表に伴いIAS第36号の開示要求の一部が修正されましたが、その再修正となります。

 

 IASBが要求していたのは、減損損失又は戻入れをした資産の回収可能価額の開示なのに、のれん又は耐用年数を確定できない無形資産のウエイトが高い場合、それらの資金生成単位の回収可能価額も開示することになっていました。オーバーディスクローズということで、この部分がカットされています。

 

 また、130項の文章内の開示対象が、「重要性のある減損損失」から「減損損失」へ変更さています。

 

 これは、すべての減損損失を注記対象にしたということではなく、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」で記述されている重要性の概念からして当然であるとして、ここでの「重要性のある」という用語を削除しています。内容に変更はありません。

 

 以上、IASBも間違えるというお話でした。

 

 ※上記は公開草案であり、最終的に内容が変更される場合があります。

産能大方式

産能大方式とは?

 産能大方式とは、業務フローチャートの作図方式です。日本で一番有名な方式と言っても、過言ではないでしょう。その歴史は古く、パソコンが普及する以前からありました。今から約20年以上前になりますが、私が監査法人に入所した年の入所研修か何かで、産能大方式の記号を書ける「製図用定規」をもらったことを懐かしく思い出します。

 

 

産能大方式の特色は精緻なルールです

 産能大方式の最大の特色は、その豊富な記号と精緻な作図ルールです。これにより、現実の業務や事務を詳細に描写することができます。

 

 そのため、記号や作図ルールがわかっている者であれば、たとえ知らない会社の業務であっても、産能大方式のフロー図を見れば、手に取るように業務がわかります。そのわかりやすさと精密さが、作図方式として支持された理由でしょう。

 

 また、共通言語のように一定の人々の間で認知・理解されていることも、支持された重要な要素かもしれません。

 

 産能大方式の記号と作図ルールをマスターするためには、それなりの学習や訓練が必要です。独学でもできなくはありませんが、できればたくさん作図して、産能大方式を知っている方に添削してもらうのが良いでしょう。

 

 昔は紙と手による作図でしたが、今の時代はマイクロソフト製品のVISIOなどのフローチャート専用ソフトを使っての作図が主流です。

 

 

産能大方式の用途~申請書類Ⅱの部と内部統制、業務改善

 産能大方式には、幅広い用途があります。事務フローだけでなく、マニュアル、業務改善、システム分析など、さまざまな場面で活用されています。特に、上場申請書類の「Ⅱの部」では、産能大方式は欠かせませんでした。

 

 上場申請書類では、上場準備会社の主要な業務フローチャートを記載しなければなりません。そこで使用する作図方式は自由形式(会社が独自に考えて良い)とされていますが、2008年以前の上場申請会社の大半は、Ⅱの部の業務フローチャートの作図に産能大方式を採用していました。

 

 なぜ、2008年かというと、内部統制報告制度(日本版SOX法、いわゆるJ-SOX法)が関係してきます。2008年に内部統制報告が制度化され、全上場会社が一挙に業務全般の内部統制を見直し、再整備しました。

 

 もちろん上場企業ですから、内部統制はすでに構築されていたのですが、制度を順守できるレベルまでブラッシュアップが行われたのです。

 

 内部統制報告制度上、主要業務については簡便な業務フローチャートを作る必要があります。上場申請書類の時と同じく自由記載とされ、一部の企業では産能大方式が採用されました。

 

 しかし、産能大方式は経験者でないとなかなか作成できないのと、もともと同制度では “かなり簡便な”フローチャートでも容認されていたことから、四角や三角とかを連ねた鳥瞰図のようなフローチャートが主流になりました。この影響を受けて、上場申請書類Ⅱの部でも産能大方式一辺倒ではなくなり、簡便な作図が増えた経緯があります。

 

 

作図記号と作図方法

 ここで、作図記号について少し説明しましょう。産能大方式の記号は、大きく“工程記号”、“帳票記号”、“現物記号”の3種類あり、これに“線”の区分があります。工程記号が基本的な作業・動作をあらわし、中心的な役割を果たします。

 

 工程記号には4つの基本形があります。

 

 “作業”をあらわす「○」

 “運搬”をあらわす「小さい○」

 “停滞”をあらわす「△」

 “検査”をあらわす「□」

 

 これら基本形にそれぞれ色、マーク、向き、二重化などの特徴をほどこされ、定義づけされて詳細記号になります。実際に作図で使用されるのは、“詳細記号”と“帳票記号”、“現物記号”、“線”ということになります。

 

 作図方法には細かいルールがあります。主要な作図ルールの一つ目は「時間経過」です。左から右に時間が流れていると考えます。ゆえに、いついかなる時でも、右から左に流れる逆線は禁止です。

 

 二つ目は「帳票の書き方」です。これは帳票記号でもあるのですが、初めてフローにあらわれた帳票は大きな四角で記載し、同じ帳票が二度目以降にあらわれたら両端が丸い短冊型にします。

 

 これにより、どこで新規帳票が作成され、それを使って回付や追記されている様子が明確になります。

 

 このほかに、「決裁作業」で各上位者が多段階承認する場合の書き方や、「照合作業」で何かと何かを照合させる場合に左記載を照合元とするなど、色々なものがあります。興味ある方は、勉強してみて下さい。

 

 

最後に

 産能大方式は、粒度の細かい事務作業や業務手続を書くのには最も便利な作図方法です。

 

 業務改善のための現行の業務調査で作図したり、上場申請書類のⅡの部で産能大方式の業務フローチャート作成を依頼されたり、私自身もいまだに仕事で使用しています。

 

 産能大方式はいまだ根強い人気があり、これからも一定の役割を果たしていくことでしょう。

 

 ※産能大方式の記号一覧

 

 ※産能大方式の事務フローチャート例

 

平成25年度税制改正大綱法人課税

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 平成25年度税制改正大綱は、自公政権にとって4年ぶりの税制大綱です。経済再生を最優先課題としています。

 

 法人課税の主な改正点は、以下のとおりです。企業が雇用・給与の増額、設備投資を行いやすい税制になっています。なお、現段階では、与党の税制改正案でありまだ法律ではありませんので、ご注意ください。

 

 

 ①生産等設備投資促進税制(平成25年4月から3年間)
 一定の要件の金額を超える生産等設備を取得した場合は、生産等設備のうち機械装置の取得価額30%の特別償却と、生産等設備のうち機械装置の取得価額3%の税額控除(法人税額の20%を限度)のどちらかを選択適用できる。

 

 

 ②所得拡大促進税制(平成25年4月から3年間)
 雇用者給与等支給増加額(=雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)が雇用者給与等支給額の5%以上であるときは、雇用者給与等支給増加額の10%を税額控除(法人税額の10%(中小企業者等は20%)を限度)できる。

 

 

 ③中小企業経営改善設備投資促進税制(平成25年4月から3年間)
 指定事業(卸売、小売、サービス、農林水産業)の中小企業が、経営改善に関する指導及び助言を受けて行う店舗の改修等に伴い器具備品及び建物附属設備の取得等をした場合は、対象設備の取得価額30%の特別償却と、対象設備の取得価額7%の税額控除(法人税額の20%を限度)のどちらかを選択適用できる。

 

 

 ④交際費課税緩和(平成25年4月から1年限り)
 交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例について、定額控除限度額を600万円から800万円に引き上げ、かつ、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)が廃止される。

本支店会計

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 本支店会計は、記帳方法です。昔はITやネットワークがありませんでしたから、各拠点に経理担当者を置き、各拠点を会計単位として伝票を起票する本支店会計が当たり前でした。

 

 本支店会計には、支店間取引の仕訳の起こし方によって「本店集中決算方式」と「支店独立決算方式」があります。本店集中決算方式は、支店間取引で本社勘定を使用する方式です。支店独立決算方式は、各支店で支店勘定を使用する方式です。

 

 ※本店集中決算方式


  札幌支店 (本 社)100 /(現  金)100


  大阪支店 (旅 費)100 /(本  社)100


  本  社 (大阪支店)100 /(札幌支店)100

 

 

 ※支店独立決算方式


  札幌支店 (大阪支店)100 /(現  金)100


  大阪支店 (旅  費)100 /(札幌支店)100


  本  社 仕訳なし

 

 

 本支店会計は、複数の会計単位を持つので拠点別の貸借対照表を作成できます。これは本支店会計のメリットでしたが、現在の会計システムは、全社単一の会計単位であっても部門別貸借対照表を作成できるので、長所ではなくなりました。

 

 本支店会計のデメリットは、各拠点に仕訳がわかる経理担当者を置かなければならないことです。間接部門の人件費を考えれば望ましいことではありません。

 

 さらに、本支店会計で記帳されると、直接的に内容がわからないということが発生します。上記例でいくと、旅費の相手科目は本支店勘定です。実際に旅費を計上した大阪支店では何で精算されたかはわかりません。

 

 今でも本支店会計を採用している会社は少なくありませんが、本支店会計のデメリットを考慮すれば、会計単位は全社単位として本支店会計をやめることが業務効率化、コスト削減につながります。

 

 実際、年間30,000伝票明細行が年間20,000伝票明細行になったケースもありました。

年金資産監査手続研究報告(公開草案)

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 2月1日、日本公認会計士協会から監査・保証実務委員会研究報告「年金資産に対する監査手続に関する研究報告」(公開草案)が公表されました。

 

 これは、今年4月1日以後開始する事業年度の年度末から年金資産の内訳開示が求められたこと、年金資産の消失事案等を受けて、年金資産の実在性と評価の妥当性に係る監査手続等の研究報告です。

 

 年金資産には、色々な運用商品があります。
  ・生命保険会社 : 一般勘定、特別勘定第一特約、特別勘定第二特約
  ・信託銀行 : 年金信託、年金信託合同運用、年金特定信託
  ・自家運用(インハウス運用)

 

 また、運用商品はそれぞれの運用方針に基づき、通常複数の運用対象に分散投資されています。
  ・時価評価容易 : 上場株式、債券、上場REIT、その他
  ・時価評価困難 : ヘッジファンド、ファンド・オブ・ファンズ、非上場株式、デリバティブ、その他

 

 研究報告では、まず、企業自ら年金資産の実在性や評価の妥当性について主体的に主張できることが望ましいとしています。研究報告で記載されている企業が実施するリスク評価プロセスは、以下のとおり。

 

  ・運用状況及び運用方針との整合性の把握・理解
  ・運用商品及び運用対象の内容の把握・理解
  ・運用及び管理の体制の把握・理解
  ・リスクの把握・理解とその対応

 

 ※上記は公開草案であり、内容等が変更される場合がありますのでご注意ください。

でんさいネット

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 でんさいネットのサービスが来月開始されそうです。昨年5月にサービス開始予定でしたが、一度延期となりました。でんさいネットとは、手形にかわる電子債権の交換所です。全銀協が設立した㈱全銀電子債権ネットワークが運営しています。

 

 電子債権のメリットは、以下のとおりです。

 

 (発行側)
  ・発行事務不要
  ・郵送不要
  ・支払手段(手形、振込、一括返済)の一本化可能
  ・印紙税不要

 

 (受取側)
  ・紛失リスクなし
  ・譲渡、割引の金額が自由に設定可能
  ・取立事務不要

 

 電子債権を行うためには、発行側と受取側双方の口座開設(月額有料)が必要です。インターネットも接続していない中小企業に、いかに浸透させていけるかが普及のカギでしょう。

 

 また、下請法の運用方針では、以下は独占禁止法第19条(不公正な取引方法の禁止)違反のおそれがあるとしています。

 

  ①電子債権による下請代金の支払いに応じることを強制すること

 

  ②電子債権による下請代金の支払いに応じないことで取引条件などの不利な取扱いすること

 

 

 取引先へ無理強いはできませんので、紙の手形を廃止し完全に電子債権に移行することは難しそうです。当面は、紙の手形と電子債権の並行運用が続きます。

 

 情報システムはどうでしょう。紙の手形では債務管理システム、手形管理システム、手形発行機を使用していました。システムにもよりますが、電子債権は債務管理システムだけで対応できるようになります。電子債権だけならば、手形管理システム、手形発行機が不要になります。

 

 これからの電子債権ですが、ゆくゆくは紙の手形が歴史になることもそう遠くないかもしれません。

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