IFRS 仕入割引

IFRS 仕入割引

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 棚卸資産の購入原価について、IAS第2号11項では以下のとおり記載されています。

 

 

 「棚卸資産の購入原価とは、購入代価、輸入関税及びその他の税金(税務当局から企業が後に回収することができるものを除く)、及び完成品、原材料及び役務の取得に直接関係する運送費、荷役費及びその他の費用をいう。値引、割戻し及びその他の類似のものは、購入原価の算定上控除される。」

 

 

 「購入原価の算定上控除される」とは、仕入値引、割戻しの類は、購入原価にマイナスで含めるということです。

 

 

 日本基準で、仕入割引は、期日前に支払うことで受ける金融収益であり、営業外収益となります。

 

 IFRSでは、IAS第2号18項に購入代価の決済を繰り延べた場合、利子費用として認識する規定はありますが、期日前払いを金融収益として認識する規定はありません。

 

 仕入割引も、仕入値引、割戻しと同じく購入原価からマイナスすることになります。

IFRS 棚卸資産の定義

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 IAS第2号の棚卸資産の定義は、以下のとおりです。

 

 (a) 通常の事業の過程において販売を目的として保有されるもの

 

 (b) その販売を目的とする生産の過程にあるもの

 

 (c) 生産過程又は役務の提供にあたって消費される原材料又は貯蔵品

 

 

 一方、我が国の会計基準では、「棚卸資産は、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等の資産であり、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、売却を予定する資産のほか、売却を予定しない資産であっても、販売活動及び一般管理活動において短期間に消費される事務用消耗品等も含まれる」とされています。

 

 

 昭和37年8月公表された「連続意見書第四 棚卸資産の評価について」からの継続で、棚卸資産に「販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨」が含まれており、この点はIFRSと異なります。

 

 IFRS導入後は、会社案内、パンフレット、切手、伝票の類は、棚卸資産(貯蔵品)として計上できなくなります。

IFRS 土地の償却

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 土地を取得した際、現場の解体、撤去する場合があります。それにかかる費用は土地の取得原価に含めます。これは、日本基準もIFRSも変わりません。

 

 

 日本基準では、土地は非償却資産ですから当然減価償却しません。

 

 しかし、IFRSでは、土地の取得原価に現場の解体、撤去が含まれている場合には、当該部分をもたらされる便益の期間をわたって償却します。

 

 

 また、日本基準では、土地の現状回復費用は、一般に当該土地に建てられている建物や構築物等の有形固定資産に関連する資産除去債務であると考えられています。

 

 これに対して、IFRSでは土地の取得原価に含めます。そのため、日本基準は建物等の減価償却として、IFRSは土地の償却として費用化されます。

IFRS 減価償却方法の見直し

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 IFRSでは、有形固定資産に適用する減価償却方法は、少なくとも各事業年度の末に見直さなければなりません。

 

 減価償却方法だけでなく、資産の残存価額と耐用年数についても同様です。

 

 また、減価償却方法の変更は、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に従って、「会計上の見積りの変更」として会計処理することになります。

 

 

 一方、日本基準では、有形固定資産に適用する減価償却方法は、特別な事象が起こらない限り、継続適用が原則です。

 

 減価償却方法の変更は、「会計上の見積りの変更」ではなく「会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合」として取り扱われ、遡及処理は行いません。

 

 

 減価償却方法等を見直すか否かは、その会計上の性格が「会計方針(日本基準)」と「会計上の見積り(IFRS)」と異なるためですが、変更する際に遡及処理を行わない点は同じです。

IFRS 減価償却の単位

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 IFRSでは、有形固定資産の減価償却の単位について規定があります。

 

 コンポーネントアカウンティングと呼ばれ、取得原価の総額に対して重要性のある各構成部分については、個別に減価償却しなければなりません。

 

 また、逆に、取得原価の総額に対して重要性のない各構成部分についても、個別に減価償却することができます。

 

 

 IAS第16号有形固定資産には、航空機の機体部分とエンジン部分を個別に減価償却する事例が記載されています。

 

 本規定に該当する日本基準は特にありませんが、完成建物を購入した場合、わかる範囲で躯体である建物と、電気設備、給排水設備等の建物附属設備に分離して、各耐用年数で減価償却することと基本的に考え方は同じです。

グランドデザイン

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 基幹システム、会計システムを構築するに当たっては、システムのグランドデザインが重要です。

 

 

 グランドデザインとは、システム全体の構成図です。

 

 どこのシステムに何の機能を持たせるのか、明細データ、残高、消込、連携会計仕訳、帳簿組織体系、必須出力帳票など、システムと業務のお品書きみたいなものです。

 これがきちんとできないまま、システム設計を始めるととんでもないことが起きてしまいます。

 

 

 例えば、従来は会計システムで売掛金の相手先残高を持っていたのに、次期システムでは、基幹システムで残高を持つ場合、残高一覧(ストック情報)だけでなく、得意先元帳(補助元帳、フロー情報)も新たに基幹システムで出力されなければなりません。

 

 

 会計人には当たり前のことでも、システム部やSEの方にとっては当たり前のことではありません。

 

 グランドデザインから考えた、しっかりした要件手義が重要です。

Ⅰの部における「前期」

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 誤謬会計がはじまり、有価証券報告書では「前期」は当期の「比較情報」となり、従来の「前期」という概念はなくなりました。これに伴い監査報告書も1期分です。

 

 

 しかし、新規上場申請のための有価証券報告書、いわゆるⅠの部は違います。

 これまでどおり、「前期」・「当期」の記載となります。「前期」も「当期」もそれぞれ単独で、比較情報はありません。

 

 これは、監査報告書が2期分添付することでもわかります。

 

 当然、特別情報の過去3期も単独併記となり、ボックス型が基本です。

 有報は「比較情報」、Ⅰの部は「前期」ということで、異なりますので注意が必要です。

IFRS 有形固定資産の取得原価

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 IFRSでも、有形固定資産は取得原価で測定します。IAS第16号有形固定資産によれば、有形固定資産項目の取得原価は、次のとおりです。

 

 

 (a) 値引及び割戻控除後の購入価格(輸入関税及び還付されない取得税を含む)

 


 (b) 当該資産の設置費用、並びに経営者が意図した方法で稼働可能にするために必要な状態にするための直接付随費用

 


 (c) 当該資産項目の解体及び除去費用、並びに敷地の原状回復費用、取得時に、又は特定の期間に棚卸資産を生産する以外の目的で当該有形固定資産項目を使用した結果生ずる債務の当初見積額

 

 

 日本基準と異なるのは、租税公課等です。 次の租税公課等は、取得価額に算入しないことができます。(法人税基本通達7-3-3の2)

 

 ・不動産取得税又は自動車取得税 ・特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの

 

 ・新増設に係る事業所税

 

 ・登録免許税その他登記又は登録のために要する費用

 

 

 IFRSでは、このような任意規定はありませんので、取得に関連して支出するものは、全て取得原価に含めなければなりません。

有報留意事項 平成25年3月期

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 先月末、金融庁から「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項(平成25年3月期版)と有価証券報告書レビューの実施について」が公表されました。

 

 平成25年3月期適用の新会計基準・開示制度は特にはありません。今年は少し落ち着いて決算作業ができることでしょう。

 

 ただし、誤謬会計基準に「未適用の会計基準等に関する注記」があります。平成26年3月期から改訂退職給付会計基準を適用する会社は、平成25年3月期で注記が必要になる場合があります。重要性も考慮して一度検討要です。

 

 金融庁の平成25年3月期決算の有報レビューの重点テーマは以下のとおりです。
  

  ・企業結合及び事業分離等


  ・固定資産の減損


  ・連結財務諸表作成手続(子会社管理を含む)


  ・金融商品に関する会計処理・開示


  ・偶発債務(引当金の計上を含む)

 

 

 上記に関しては、特に留意して本決算で対応して下さい。

IFRS 有形固定資産の交換取引

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 日本基準では、有形固定資産の交換取引の場合、交換した同種の自己資産の適正な簿価をもって取得原価とします。

 

 また、有価証券等の異種の資産と交換した場合には、当該有価証券の時価、または適正な簿価をもって取得原価とします。

 

 

 一方、IAS第16号有形固定資産では、交換取引の場合、原則として公正価値で測定します。

 

 取得資産が公正価値で測定できない場合のみ、その取得原価は引き渡された資産の帳簿価額で測定することになります。

 

 日本基準と異なり、IFRSでは交換取引を公正価値で測定しなければなりません。

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