企業価値評価ガイドライン改正

企業価値評価ガイドライン改正

pixta_15089655_S-compressor

 未上場会社の第三者割当増資等の株式算定の拠り所になる「企業価値評価ガイドライン」(日本公認会計士協会 経営研究調査会研究報告第32号)が改正されました。

 

 昨今、DCF法等は専門家でなくても誰もが知る身近なものとなりました。ベンチャー企業経営陣との会話では、割引率、継続価値、非流動性ディスカウントなど当たり前に出てきます。

 

 それに伴って、株価算定に関する争い・裁判も増えました。そもそも株価算定は単純なものではありません。特に成長が見込まれるベンチャー企業の場合、その時点の株価をどう見積もるかは非常に難しいです。算定人として妥当性のある種々の仮定を置きながら、対立する利害関係者が納得する公平公正妥当な株価を考えなければなりません。

 

 主な改正点は以下のとおり。

 ・不正や企業価値評価を巡る紛争への対応を明記(発端はオリンパスですね。)
 ・算定結果に対して、個別・具体的に、また、批判的にその結果を検討する検討人が存在することを、算定人は強く意識するよう注意喚起
 ・数値予想の前提条件の合理性、予測過程の合理性、作成数値の社内承認や外部公表、さらには、過去の実績値や信頼できる外部情報等との整合性に関して検討・分析を要求
 ・提供された非常識・非現実的な将来情報を無批判に受け入れ、機械的にそれを評価に使用するのではなく、批判性を発揮して、基礎資料としての有用性及び利用可能性の判断の重要性を明記

 

 まあ、当然と言えば、当然のことばかりです。提供された資料の通り算出した株価なら、単なるシミュレーションです。専門家の株価算定である以上、依頼人の資料について一定の検証を行い、利害関係者の批判に耐えられる算定を心がけなければなりません。

電子的監査証拠

pixta_17752191_S-compressor

 公認会計士協会は、平成25年7月30日付でIT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠~入手・利用・保存等に係る現状の留意点と展望~」を公表しました。電子情報を電子的監査証拠として取り扱う際の留意点をまとめています。

 

 企業では、税務で平成10年に電子帳簿保存法が施行されてから、会計帳簿の電子保存のみならず、書類(証憑)の電子保存も普及しています。

 

 特に、EDI、電子発注書など当初から電磁的記録されている書類は、電子保存が原則です。紙ベースが一切作成されずに電子データしかない取引も多くなりました。

 

 ところで、紙と電子データを比較すると、電子データは変更を検知することが困難です。これは電子データの特性です。証拠能力は紙より弱いと言わざるを負えません。

 

 一方で、大量入手、検索等によって監査の効率性を向上させることもまた事実です。

 

 クラウドサービスなど情報技術は日々革新しています。商取引のIT化はますます進みます。伝統的監査証拠から電子的監査証拠が主となる時代はあっという間にやってくることでしょう。

トップページ > 2013年 > 8月

ページの先頭へ ページの先頭へ戻る


特定商取引法に基づく表記

Copyright © Mitsuru Nakagawa CPA office