購買管理システムの消費税差額の処理方法 その1

購買管理システムの消費税差額の処理方法 その1

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 明日、内閣が消費税率引上げを閣議決定するそうです。消費税率が5%に引き上げられて16年・・・だいぶ時が経ちましたね。

 

 消費税率が3%から5%へ初めて引上げされた時、多くの企業は業務システムを大なり小なり改修しました。それを踏まえ、その後の業務システムは、消費税率変更機能を標準装備しています。しかし、これまで一度も使ったことがない機能です。情報システム部は、事前に運用テストを行いましょう。自社開発システムなら尚更です。

 

 ここで、あらためて消費税差額の処理方法について考えてみます。ポイントは2点です。

 

 ①消費税の端数処理方法
 消費税の端数処理方法には、切捨て、切上げ、四捨五入などがあります。その選択は、各事業者の判断に任せられています。

 

 ②消費税計算の順序
 商品を複数購入した場合、税込価格で計算するか、税抜価格で計算するかで、金額が異なります。 例えば、本体価格150円の商品は、税込価格157円(切捨て)です。これを2個購入した場合、代金は、それぞれ下記のとおりです。

 

 a. 税込価格計算 314円(157円×2個)
 b. 税抜価格計算 315円(150円×2個×1.05%)

 

 消費税には総額表示義務がありますので、個人消費者販売ではa.の「税込価格計算」が基本です。一方、事業者間取引では総額表示義務がありませんので、b.の「税抜価格計算」で請求書を送付するのも普通にあります。

 

 なお、総額表示義務は、事業者の事務負担軽減目的で2013年10月1日から2017年3月31日まで一時停止されています。

金融庁24年度有報レビュー結果

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 金融庁から、平成24年度有価証券報告書レビューの実施結果が公表されました。レビュー対象は、主として平成24年3月期決算です。重点テーマは、「無形固定資産(のれんの計上額を含む)の評価」、「関連当事者取引(役員に対する貸付を含む)」など、当時大問題となったオリンパス事件、大王製紙事件を反映したものでした。

 

 以下、審査で確認された事例です。

 

 「無形固定資産の評価」  
  ・減損損失を認識するかどうかの判定に際して見積られる将来キャッシュ・フローについて、見積りの根拠が不明確
  ・減損損失等を認識したのれん等の内容が不明瞭  ・回収可能価額(正味売却価額あるいは使用価値)の算定方法の記載が不明瞭

 

 「関連当事者取引」
  ・関連当事者の範囲について正確に把握しておらず、取引全体の記載漏れ
  ・取引の内容が不明瞭
  ・取引条件及び取引条件の決定方針等、必要な事項の記載漏れ

 

 また、無形固定資産の評価では、「連結子会社株式の減損に伴うのれんの一括償却であって、減損ではない」という理由で、当該損失の内容を注記しない事例があったそうです。

 

 この件に関する審査コメントは、「連結子会社株式の減損に伴うのれんの一括償却であっても、実質的にその内容が減損と同様の内容であれば、減損損失を認識した場合と同様の開示が必要であると判断されることがある」でした。

 

 のれんの一括償却の意味は、「会社や事業を高い価格で買ってしまった」ということです。取得して何年も経っていれば、外部環境が変化したという弁明もあります。しかし、1年かそこらでの一括償却なら、経営陣の見通しのあまさを指摘され、金額によっては、経営責任・株主代表訴訟にすら繋がりかねない話です。

 

 損失の主たる原因が純資産価額の著しい下落なのか、将来キャッシュ・フローの見積り変化なのか、実態に即した適切な開示が求められます。

次世代EDINET

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 EDINET(エディネット)は、金融商品取引法に基づく有価証券報告書などの開示書類を検索閲覧する、電子開示システムです。現在のEDINETは2004年に運用が開始され、2008年にXBRL対応のリニューアルが行われました。今回、「開示書類の二次利用性の向上」、「検索機能等の向上」を目的に、システムが全面刷新されます。次世代EDINETは、明日9月17日に稼働する予定です。早いうちに新EDINETを使用して、操作性・検索機能などを確かめたいと思います。

 

 一方、開示書類を提出する側である上場会社は、新システム対応に留意する必要があります。次世代EDINETでは、XBRLの対象範囲が拡大します。従来は財務諸表本表のみが対象でしたが、有価証券報告書等については報告書全体がその対象です。さらに、株主資本等変動計算書のレイアウトは、縦型様式から横型様式に変更されます。

 

 主要な開示書類の適用時期は、以下のとおりです。
  ・有価証券報告書  平成25年12月31日以後に終了する事業年度
  ・四半期報告書  平成26年1月1日以後に開始する事業年度に含まれる四半期
  ・臨時報告書  平成26年1月1日以後に提出する書類(早期適用可)
  ・内部統制報告書  平成25年12月31日以後に終了する事業年度(早期適用可)

 

 新EDINETの全面XBRL化でシステムトラブルが起きないとは言い切れません。余裕を持った決算スケジュールを組む、印刷会社の提供システムの作業手順を入念にチェックするなど、事前の対策準備が大切です。

非上場企業と過年度遡及

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 過年度遡及会計基準が導入されて2年。遡及修正の事例も増え、だいぶ見慣れてきました。過年度遡及会計基準は一般公正妥当なる会計基準ですから、上場会社のみならず、非上場企業でも適用することができます。しかし、非上場企業ではマストではありません。

 

 財務諸表等規則では、前期損益修正益(第95条の2 特別利益の表示方法)、前期損益修正損(第95条の3 特別損失の表示方法)が無くなりました。

 

 しかし、会社計算規則では、前期損益修正益、前期損益修正損は残っています。(第88条 損益計算書等の区分)

 

 当時の「会社計算規則の一部を改正する省令案」に関する意見へのコメントでは、『過年度遡及会計基準を適用しない会社が前期損益修正益及び前期損益修正損の項目を用いることが考えられるため、会社計算規則第88条第2項及び第3項は改正しないのが相当である 』と述べています。

 

 ゆえに、株式公開準備会社等では法定監査の期でない限り、選択の余地はあります。

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