決算早期化は、古くて新しい経営課題

決算早期化は、古くて新しい経営課題

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 先日、昔からの知人である、大手IT系コンサルティングファームの方から、メールをもらいました。その中で、拙書「お金をドブに捨てないシステム開発の教科書」を読んで、次の感想を寄せてくれました。

 

 『 失敗事例が豊富で共感できるところも多く大変参考になりました。また、最近古くて新しいテーマなのか、決算早期化のコンサル依頼も多いので、早期化の章は、興味深く読ませて頂きました。 』

 

 私は、“古くて新しいテーマ”という言葉に、深い感銘を受けました。たしかに決算早期化は、昔からありながら今も変わらず重要な経営課題です。

 

 

 決算早期化が重要なのには、2つの理由があります。

 

 1つは、経営数字をいち早くつかみ、変化に対応する体制が経営には欠かせないからです。スピード経営が要求される現代、その傾向はますます強まっています。

 

 もう1つは、決算早期化こそがムダのない効率的な仕組みの“明かし”そのものだからです。つまり、月次決算のスピードは業務効率のバロメーターだということです。

 

 「月次報告の前日は毎回経理部が徹夜する」などムリなことをせず、決算早期化(たとえば5営業日以内)ができているならば、企業経営の仕組みはそれなりに効率的だと見なせます。

 

 

 「じゃあ、決算早期化をするために、人を増やせば良いのでは」・・・その考えは大きな間違いです。決算は、人を増やせば早くなるようなシロモノではありません。

 

 現に、適切な仕組みをつくって決算早期化をすると、経理部の残業時間が減るほうが普通です。仕組みにおかしいところがあるから月次決算が遅いのであって、マンパワーに頼るのは逆効果です。

 

 もう一つ注意点を付け加えるならば、業務・システム・会計を単独で取り組んでも決算は早くなりません。それほど現代の企業の仕組みは複雑です。

 

 決算早期化は、業務・システム・会計の「三位一体の改革」があって初めて実現できます。仕組み全体を再設計する視点が重要なのです。

経営者と情報システム部とのコミュニケーション

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 経営者の求める企業システムは、「売上や利益が上がるシステム」です。経営者の興味は「そのシステムを入れて儲かるようになるのか」、その一点に尽きます。

 

 一方、情報システム部のミッションは、プロジェクトが予算超過や稼働遅延せず、システムを安定稼働させることです。情報システム部のつくりたいシステムは、「問題を起こさないシステム」です。

 

 双方の立場や役割が違うので、次期システムに対する思いや考えが異なるのは当然です。そのような中、もしコミュケーションが不足し、対立が解消しないままシステムをつくるとどうなるでしょうか。

 

 経営者は、新システムが経営に役立たないので決して満足できません。「高額なシステム投資がムダになった」と感じます。そして、「もう二度と、うちの情報システム部には任せられない」と思います。

 

 一方、情報システム部は、「経営者が途中で横やりを入れてくるので、あぶなくプロジェクトがとん挫するところだった」と思います。そして、「次からは、経営者の意見はあまり聞かないようにしよう」と考えます。

 

 双方に間違った考えを芽生えさせ、心の中にしこりやトラウマを残します。

 

 では、このような事態を回避するためには、どうしたらよいでしょうか。大切なのは、経営者と情報システム部の相互理解です。

 

 経営者だからといって、システムやITを毛嫌いして良いはずがありません。せめて企業システムの勘どころくらいは押さておくと、情報システム部に意見や考えを伝えやすくなります。

 

 また、情報システム部は、もっと経営の視点を持ち、稼ぐポイントやしくみをシステムに取り入れるよう努力します。いくら安定したシステムをつくっても、売上や利益が上がらなければ本末転倒なのですから。

 

 真の相互理解があってはじめて、双方の意見やビジョンを融合させ、リスクとリターンのバランスをとり、自社に最適なシステムをつくることができます。

 

 拙書『お金をドブに捨てないシステム開発の教科書』は、経営者と情報システム部のかけ橋となる本です。それぞれの立場でお読みいただくと、相互理解が深まり、コミュニケーションが円滑化します。ぜひより良いシステムづくりのために、ご一読いただければ幸いです。

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