会社を変えていく会議を成功させるために

会社を変えていく会議を成功させるために

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 社内で新しいことを始めたり、従来のやり方を変えたりするためには、関係者が集まるミーティングが欠かせません。その中で、みんなで真剣に知恵を出し合い創造的な解決策を模索します。

 

 しかし、ただ闇雲に会議を重ねていても良い結果が得られるとは限りません。

 

 たとえば、参加者が受け身の人ばかりだと、誰かがリードして決めてくれるのを待つだけの会議になります。あるいは、参加者が自己保身的な主張ばかりだと、議論の収拾がつかなくなって結論が出せません。

 

 会社の変革を伴うような会議で建設的な結果を出すためには、それ相応の準備や努力が要ります。

 

 

適切なファシリテーターを置く

 まずは会議を仕切る「人」です。テーマが難しければ難しいほど、ファシリテーションを任せられる有能な「ファシリテーター」が必要です。

 

 ファシリテーションとは、「会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの持つ能力の1つ(出典:ウィキペディア)」です。

 

 会議だけでなくビジネス全般に必要とするスキルだと思います。通常、責任者やプロジェクトリーダーがファシリテーターとなりますが、場の空気を読めない人、論点を整理できない人だと厳しいです。

 

 

参加者にテーマに関する情報や資料を十分提供する

 会議で参加者の発言が少ないのには理由があります。テーマに関する情報や知識・経験が不足しているのです。人はわからないことや自信がないことに関して意見を言いません。ゲストのように、おとなしく聞いているのがオチです。

 

 できれば、参加者には会議前にテーマに関して勉強してもらいます。十分な質と量の情報を提供し、自分なりに消化してもらうのです。

 

 もちろん中には消化不良を起こす人もいます。それでもないよりはずっとマシです。会議の中で知識の「点」と「点」がつながって「線」になる場合もあります。

 

 

課題に対処できる状態まで整える

 変革を伴うような会議は1回で終わることはありません。何か月にも何回にも渡って開催されます。そのため、次回の会議までに参加者がやっておくべき「課題・宿題」や「調べもの」があることが多いです。

 

 しかし、人によって能力・スキルはまちまちです。人によっては手に負えない課題もあります。また現実問題として課題に取り組む時間がないこともあるでしょう。いずれにせよ、参加者が課題に対処できないと問題の解決が遠ざかるだけです。

 

 それではどうするか。課題に対処できるような現実解まで落とし込みます。

 

 たとえば、その人が手に負えないなら、素直にできる人に代わってもらいます。ただし課題への取り組みが若手の教育目的も兼ねるならサポートする人をつけます。また時間がないなら課題に優先的に時間を確保してもらえるよう関係者と交渉します。業務の優先順位はある意味経営判断です。

 

 会社の将来を担う重要な会議だからといって、経営資源や戦力が潤沢なケースはまれです。いろいろな制約のある中でも一定の成果を上げていく工夫と準備が大切なのです。

エクセルを手放さない人への対処法

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 従来エクセルや手作業でやっていた業務をシステム化すれば、業務効率が上がります。システム内にデータが蓄積されるので、全社でデータを検索・閲覧・活用しやすくなります。

 

 一方、エクセルだとそうはいきません。1つのファイル内でしかデータを活用できないので、利便性が低いのです。非常に使い勝手は良いのですが、閉鎖的です。

 

 ゆえに、当初はエクセルで対応できていた業務でも、業務量が著しく増えたり、データ分析の必要性が生じたり、他部署や別システムでデータを利用する頻度が上がったりすると、システム化の検討対象となります。

 

 たとえば、経費申請。社員が20人くらいならそれほどの業務量ではないですが、社員が100人近くなるとエクセルや紙の経費申請では、管理部門はパンクします。

 

 そういう場面で、ワークフローシステムを導入し、申請から仕訳までを自動化すると、管理業務はとても軽減します。管理部門からは「楽になった」「月末の残業が激減した」等の声が聞かれ、効果はてきめんです。

 

 ところが、たまにそうならないケースがあります。

 

 あるシステム導入プロジェクトで、「その後どうです。業務は楽になりましたか?」と責任者に聞くと、「まだそこまでの成果は出てないです」と悲しげに答えます。

 

 状況を詳しく確認してみると、システム稼働後にも現場のエクセル入力が続いていたのです。つまり「エクセル入力」と「システム入力」の2重入力で、業務は減るどころか、増えていたのです。

 

 担当者にエクセルをやめない理由を聞くと、「システムに入力した内容が正しいかどうか、エクセルで検証するため」とか、「エクセルが慣れているのでまずそちらに入力し、その後システムに時間を見て入力している」と答えます。

 

 あなたは、この話を何かの冗談かと思うかもしれません。しかし、実はこういう話は1社2社ではありません。私の経験上でもかなりの数ありました。新システムを導入しても、従来のやり方に意味も無く固執する人が必ず一定数いるものです。

 

 そのような人にどのように対処すればよいのか。

 

 まず大切なことは明確にその業務でエクセルを使用するのは「禁止」と伝えます。経営資源(人件費・時間)の無駄遣いですから、業務命令として「止めるよう」はっきり宣言します。

 

 次にモニタリングして、エクセルを使っているのを見つけたらその都度注意します。彼らにとってエクセルは習慣です。体に染みついた習慣を変えるには根気が必要なのです。

 

 実際IT化が遅れ、エクセルの業務期間が長かった企業ほど、脱エクセルの時間がかかります。それは人がケガをした際のリハビリに似ているかもしれません。新システムの投資効果を上げるためには、確実な脱エクセルが大切です。

「価格決定」には企業を永続させる視点が必要

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 わが国の原価計算基準は、昭和37年に施行されて以来、50年以上にわたり改正されていません。原価計算目的には大きく「価格決定」「生産管理」「制度会計」の3つがありますが、この弊害は特に「価格決定」において顕著です。

 

 価格は自由に決めてかまいません。多くの企業では、原価に利益を加えて価格とする方式(コストアプローチ)を採用しています。製品原価に利益を一定額(一定率)上乗せすることで、確実にコストを回収し、利益を残せる価格です。

 

 もし製品原価が不適切だったら・・・営業は間違った価格で得意先に売っていることになります。会社に貢献しているつもりが、売れば売るほど会社に損失を与えているかもしれないのです。

 

 原価計算基準に書かれている原価概念は「実際原価」「予定原価」「標準原価」の3つです。それぞれの原価と価格決定について考えてみます。なお、基準には「全部原価(フルコスト)」と「部分原価(たとえば直接原価)」についても書かれていますが、これらは原価の集計範囲の話であり、別な論点ですのでここでは割愛します。

 

 

 実際原価

 実際原価とは「財貨の実際消費量をもって計算した原価」を言います。実際単価×実際消費量が基本です。「実際」というと真実っぽくて聞こえはいいですが、ここで言う「実際」とは「会計にとっての実際」です。当期の会計決算や税金計算にとっての実際なのです。

 

 たとえば、ある工場で機械装置を定率法で減価償却しているとします。定率法は導入当初の償却費が大きく、その後年々償却費が小さくなっていく計算方法です。

 

 つまり、10年間、同じ製品Aを作っていても、機械装置を買った初年度の原価は大きく、年々原価が小さくなるのです。実際原価がベースなら毎年売価を下げなければなりません。

 

 

 予定原価

 予定原価とは「将来における財貨の予定消費量と予定価格をもって計算した原価」を言います。実際原価でなく予定原価を用いる利点は2つあります。

 

 1つは、実際原価だと同一製品でも単価や消費量のムラがそのまま原価に反映してしまいますが、予定原価だとそれを平準化できます。もう1つは、実際原価は実際なのですべての経費入力が終わらないと算定できませんが、予定原価はその必要がありません。

 

 予定原価の「予定」は何の予定かと言うと、それは実際原価の予定です。会計決算や税金計算が最終的にどう着地するか、その予定なのです。ですから予定原価は実際原価に近似値になるよう設計されます。

 

 

 標準原価

 標準原価とは「財貨の消費量を科学的、統計的調査に基づいて能率の尺度となるように予定し、かつ、予定価格又は正常価格をもって計算した原価」です。簡単に言えば、生産管理の目標・お手本になるような原価です。

 

 そのため、標準原価は実際原価よりも通常小さくなります。もし標準原価を価格決定に使えば、その企業はコストを自ら負担して安売りしているのと同じです。

 

 ここまで見てきてわかるように、「実際原価」「予定原価」「標準原価」は、価格決定に適した原価ではありません。では、どんな原価なら良いのか?

 

 私の推奨は「回収原価」です。企業が中長期的に渡って本当に回収したい(回収すべき)金額を平準化して算出します。※「回収原価」は著者の造語です。

 

 たとえば、機械装置の減価償却。定率法から定額法に変え、耐用年数は会計上10年でも、実際20年使う見込みがあるなら20年で計算します。さらに、減損していれば減損前に戻したり、償却済みの機械装置でも中長期で設備投資が必要ならその分を調整したりします。

 

 「価格決定」には、販売を通じて企業を永続させる視点が必要です。「制度会計」や「生産管理」とは目的が違います。競争が激しい時代では、価格決定に優れた原価計算が求められます。

 

 なお、制度会計においては、最終的に「実際全部原価計算」で算出した数字と同じくする必要があります。独自の原価概念を採用した際は、標準原価の原価差額の処理、直接原価の固定費の期首期末洗い替え等と同様、調整計算が必要です。

使えるマニュアルを作成するコツ

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 改革やシステム構築プロジェクトで、「マニュアル作成」と言うと、仰々しい本格的なモノを想像するのか、身構える人が少なくありません。

 

 確かに、内部統制報告制度(J-SOX法)やISO等では、それなりの形式が求められます。しかし、それはあくまで規則との兼ね合いであって、一般的な業務マニュアルは、形式より中身が大切です。

 

 マニュアルの目的は2つです。1つは業務の「ミス・トラブル防止」。もう1つは業務の「時短・効率化」です。使えるマニュアルは、確実に業務を改善します。もしマニュアルを導入してミスも作業時間も減らないなら、それはマニュアルに問題がある証拠です。

 

 使えるマニュアルを作成するためのポイントを4つ上げましょう。

 

1.可変性

 業務は常に変化します。また業務が変化しなくてもマニュアルどおりにやってミスが発生すれば、それに対処するためマニュアルには改善事項が付け加えられます。マニュアルはつぎ足し・修正されていく可変的なものです。

 

 一方、経営理念や定款、諸規程は固定的です。たまにこれらと同じようにマニュアルを固定的に考える人がいますが、そうでないこと、またそうしてはいけないことを強く意識しましょう。

 

2.完成度

 マニュアルに100%はありません。マニュアル作成に際しては「完璧なマニュアルを作ろう」と力を入れすぎる傾向があります。しかし、「すべての項目(機能の網羅性)」「一挙手一投足(手順の網羅性)」まで書き切る必要はありません。

 

 業務マニュアルはIT機器の分厚い「操作マニュアル」とは目的が違うのです。マニュアルの目的(ミス・トラブル防止、時短・効率化)に役立つ水準ならば合格点です。

 

3.利用者

 個人がミス・トラブル防止や時短・効率化のために手許に置いておくものは、「チェックリスト」や「あんちょこ」の類いです。しかし、マニュアルは複数の利用者を想定しています。誰が使うのかを明確にしましょう。

 

 利用者が部内だけなら、部内で通じる用語や内容でもかまいません。ただし、新人が入ること、他部門の応援や人事異動もあるでしょうから、初めての人が見てもわかるようにしておくのが基本です。

 

4.明瞭性

 記載方法は箇条書きがベストです。ポイントで画像や表を使うなどもあるでしょう。一目で分かるような視認性を意識します。複数のマニュアルを作るなら、全体のフォーマット、フォントやサイズ、使用記号等を揃えるのは当然です。

 

 絶対避けなければならないのは、冗長的な説明文です。理解度を下げるような回りくどい表現も避けます。

 

 

 最後に、マニュアルを「初心者向け」のものだと軽視する人がいますが、それは大きな間違いです。ベテランであろうとなかろうと、人は何もない状態で作業するより、マニュアルの類があるほうがずっと効率的で質の高い仕事をすることができます。

 

 職業柄、私はよくレポートを書きますが、今でも次の「箇条書きのメモ(個人にとってのマニュアル)」を見ながら書き始めます。

 

・誰が

・何のために

・報告を受けてどうしたいのか

・そのための必要な情報は

・目次の構成は

 

 レポート内容は多種多様ですが、報告書の共通点は報告を受ける人にとっての「わかりやすさ」です。これで対象を整理することで、レポートの品質を保っています。

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