押込み販売がもたらす3つの反動

押込み販売がもたらす3つの反動

 学生時代、私は剣道部に所属していました。定期的に合宿があったのですが、合宿中は朝昼晩の三部練(1日に3回稽古する)でした。

 

これが、なかなか大変で後半にはかなりヘトヘトになります。12年生の時はそれでもまだ良いですが、3年ともなると、下級生にカッコ悪い所は見せられません。

 

そこで、試してみたのが「栄養ドリンク剤」です。安いものは大した効き目はありませんが、高いものはそれなりに効果がありました。飲んだ後は体が動くようになって、なんとか合宿を乗り切った記憶があります。

 

しかし、効果が切れると、その後が大変でした。疲れがどっと出てきて体にかなりのダメージが残ります。合宿終了後は、まったく体が使い物になりませんでした。

 

栄養ドリンク剤を飲んで、多少動くようになった体を、酷使し続けたわけですから当然です。それを知ってからは、本当に必要な時以外は飲まなくなりました。

 

 

決算が近づいて、売上が当初予算に達していないと、経営も営業もプレッシャーで大変です。なんとか売上をつくれないか、見込みがありそうな得意先にお願いして回ります。

 

営業努力は必要です。しかし、あまりムリをしすぎると会社にとって危険です。たとえば、押込み販売。合法であっても、得意先に必要以上の数量を納品してしまうと、あとで大きな反動がきます。

 

具体的には「①営業の悪循環」「②支払いの先行」「③返品の損失」で業績が悪化します。

 

 

①営業の悪循環

本来は来期の売上となるべきものを、今期の売上げとすることは、いわゆる“売上の先食い”です。来期の売上達成が厳しくなります。

 

来期は来期で減収にならないように、来年度末にさらにムリをしてしまいます。営業は悪循環に陥っていきます。

 

 

 ②支払いの先行

押込み販売分は今期の売上となるので、それに対しての仕入れ、営業マンへの賞与、利益が出ていれば税金の支払いが先行します。

 

売掛金が正常に回収できれば問題ない話ですが、押込み販売はたいがい入金が遅れたり、返品されて売上の取り消しとなり回収できなかったりします。

 

 

返品の損失

得意先は、当社の要請で必要数量以上のものを買ったわけですから、売れずに残った商品は返品してきます。返品は3つの点で業績に悪影響をもたらします。

 

1つ目は、倉庫や購買担当の業務負荷が増えます。在庫管理が弱い会社だと、返品で大きく業務が乱れます。

 

2つ目は、出荷に伴う費用です。最初に出荷した際の運賃や荷造り費は、ムダになります。

 

3つ目は、商品の評価損です。返品された商品は、その後、売り物にならないケースが多いです。押込み販売しなければ1,000円の価値があった商品が、得意先から戻ってくると、箱が破れていたり、値札がつけられていたりして、評価が下がります。

 

 

押込み販売は、一時凌ぎに過ぎません。売上目標が足りていないからと言って、返品を前提とするようなことをすると、会社に大きな反動が来ることを理解しておきましょう。

遠隔相談が当たり前の時代がやってくる

 今日は、私がいま気になっているツールを2つご紹介しましょう。

 

私の仕事はコンサルティングですが、内容が内容なので、実際にお客さんと会わないと成り立たないと、ずっと思っていました。

 

なぜなら、会議の内容をホワイトボードに山ほど書くので、電話会議は難しいですし、テレビ会議は通話相手が不特定なので使えません。

 

WEB会議は良さそうだったので、何年か前に自分の仕事に導入してみようと試みました。しかし、画質が悪かったり通話が途切れたり、私はストレスを感じてダメでした。

 

そんな中、先日、ある税理士さんがWEB会議クラウドサービスの「ZOOM」を使って、広島の会社と仕事をしていると聞きました。

 

ZOOM」の名前は前から知っていましたが、あらためて、どんなものかと調べてみました。

 

すると、ほかのサービスと比べてZOOMが2つの点で大きく優れていることがわかりました。

 

1つは、通話がとても安定しています。独自のデータ圧縮技術で、ほかのWEB会議の10分の1の容量で通話できるそうです。ようやくストレスなく会議に集中できる環境が整ってきたと思いました。

 

もう1つは、自分がZOOMライセンスを持っていれば、相手がライセンスを持たなくても、すぐ会議に参加できること。これも不特定多数を相手にする場合、とても便利です。

 

技術の進歩はすごいですね。これなら、うちも遠隔相談をコンサルメニューに入れても良いかも、という気になりました。時間ができたら、着手したいと思います。

 

 

いま気になっている2つ目のツールは、電子契約の「クラウドサイン」です。

 

まだ電子契約は馴染がないかもしれません。私も昨年、初めて電子契約をしました。ITコンサルタントの方に事務所の仕事を依頼した時、先方から電子契約の話を頂いたからです。

 

しかし、いずれ間違いなく電子契約は普及するでしょう。昨年、産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」で、電子契約サービスに係る建設業法の取扱いが明確になりました。(経済産業省のリリースはこちら)

 

私のクライアントの中にも、すでに電子契約を検討している先があります。

 

電子契約のメリットは、「契約が早い」「印刷・郵送などの手間がかからない」「印紙税がかからない(紙でないから)」です。

 

デメリットは、「契約の重みを感じられない」「なんとなく抵抗感がある」、といったところでしょうか。

 

実際、初めての電子契約では、ハンコが赤い丸に「中川充」と書かれていただけだったので、「なんとも味気ないなあ」と感じました。

 

それでも、この2つのツールを使えば、クライアントと一度も会わない、遠隔コ相談や、遠隔コンサルができそうです。

 

一方で、人と会って実際の会社を見てみないと、わからないこともたくさんあります。やはり訪問と遠隔を組み合わせるのが良いのかなと思っています。

 

※弊所は、特定の2つのサービスを推奨しているわけではありません。皆さんのビジネスのご参考になればと、情報提供として記事を書いています。サービスの利用は、あくまで自己責任でお願いします。

業務改革は正論との戦いである

わが家では、映画、ドラマ、将棋などをよく見ます。映像オンライン配信サービスをいくつか利用しています。

 

最近、新たにNetflix(ネットフリックス)に入りました。

理由は、ジャック・バウアー(24-TWENTY FOUR-)役のキーファー・サザーランドが、大統領になったドラマを見たかったらです。

 

そのドラマを1話見終わると、驚くことがありました。

 

本編が終わると、通常はエンディングロール・予告などが続きます。しかし、Netflixはそれを飛ばしたのです。

 

エンディングロールが始まってすぐ、「4秒後に次の回に飛びます」と表示され、自動的に2話目にいきました。しかも、2話のオープニングも飛ばし、2話の本編からスタートしたのです。

 

たしかに、連続ドラマを見る大半の人は、エンディングも予告も、次のオープニングにも興味がないでしょう。

 

実際、私も毎回本編が終わると途中で止めて、次の回に移る口です。だから、この機能にスゴイ感銘を受けたのです。

 

そして、ふと思いました。

 

「この機能は、日本の会社だったら実現していなかったかもしれないな」

 

なぜ、そう思ったのか? 

 

以下は、私が勝手に妄想した「機能改良会議」の会話です。

 

Aさん:「連続ドラマに、エンディングロールや予告、次の回のオープニングを飛ばす機能をつけたら、画期的だと思うんだが、みんなどう思う?」

 

Bさん:「それ、いいですね。賛成です!」

 

Cさん:「僕は反対です。エンディングロールや予告も見たい人がいるのでは? ドラマの余韻にひたって、曲も聞きたい人もそれなりにいますよね。」

 

Aさん:「そういう人には、『エンディングロールをそのまま見るボタン』を出してクリックしてもらうのはどう?」

 

Cさん:「毎回そうするの? 手間がかかりすぎません?」

 

Bさん:「たしかに、本来見れるはずのエンディングロールのために、毎回ボタン操作が入るのは、まずい気がします」

 

Aさん:「なるほど、一部の視聴者を犠牲にするのは良くないね。とりあえず、本件はペンディングということで」

 

どうでしょうか? いかにも日本的な会議ですよね。

 

私は決して日本の配信会社の悪口をいいたいわけではありません。無難な選択を選びがちな、決定プロセスの悪い例として書いています。

 

Cさんの主張は正論です。でも、正論ばかりを聞いていては、変化や改善は生まれません。

 

たとえば、業務改革は「正論」対「正論」の戦いです。

誰も困らないとか、100%ハッピーな結論などはあり得ません。そんな解決を求めようとすると、議論は硬直してしまいます。

 

誤解を恐れずに言えば、業務改革は「正論を打破する」ことです。より高い目的のために、従来の正論を壊していくプロジェクトです。

 

日本人には苦手なことですが、思い切って頑張りましょう。 

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