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富士通5,000人の大移動

「富士通、配置転換5000人規模」 ヤフーを見ていて思わず目が留まりました。

富士通は2020年度までに、人事・総務・経理などの間接部門20,000人のうち5,000人をITサービス事業などの直接部門に配置転換し、主力事業であるテクノロジーソリューション事業(連結売上高の74%を占める)の営業利益率を現在の4%から10%を目指すそうです。

富士通の直近の有報をみると、グループ全体の社員数は140,000人です。間接部門20,000人ということは、現在の社員の直間比率は14.3%です。5,000人の配置転換後は10.7%まで下がります。

100人の会社に置きかえてみると、営業85人・事務方15人の会社が、営業90人事務方10人に変わるイメージです。同じ人件費で売上の拡販が見込めますから、今よりは確実に稼げる体質になります。

この成否のカギは2つです。

1つ目は「事務方から営業に移って期待通りの働きができるか」です。人事・総務・経理にいる人は、入社してからずっと同じ部署でやってきた人ばかりでしょう。畑違いの職種になって大丈夫なのかと思うかもしれません。

しかし、私はこの点は問題ないのではないかと考えます。富士通は「GLOVIA」という中堅企業の国内シェアが高い、自社ブランドの会計系パッケージを持っています。

一般会計、債権管理、債務管理、人事管理、給与管理などのモジュールがあり、これらの導入支援や営業であれば、人事・経理などの経験や知識がそのまま活用できます。

富士通の本体でGLOVIAの営業や導入支援の人員が増えて困るのは、むしろGLOVIAを担いでいる代理店ベンダーのほうなのかもしれません。

成否のカギ2つ目は「事務方が15人から10人に減って、本当に事務がちゃんと回るのか」です。

間接部門の人員削減は、どの企業もやりたい施策ですが、たやすいことではありません。人員が明らかに余剰であることはマレであり、人を減らすためには、事務の生産性を高めていくか、事務そのものを無くすしかありません。

今回、富士通は20,000人から5,000人削減します。事務の生産性であれば約33%アップしなければならない計算です。富士通は大IT企業ですから、業務のシステム化は十分構築されているはずです。その中で、さらに生産性を33%アップすることは、かなりの困難が予想されます。

そうなると、5,000人分の事務を無くす・削る、という抜本的な業務改革が必要です。全社員が強い危機意識を持って、断固たる決意で改革に取り組めるかどうか? 経営陣のリーダーシップにかかっています。

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