コラム

リース会社のもっとも頭が痛い問題

リース会社にとって、いまもっとも頭が痛い問題と言えば「リース会計」でしょう。先日の日経新聞に、「企業会計基準委員会がすべてのリースについての資産・負債を認識する基準の開発に着手することで合意した」との記事がありました。国際会計基準に合わせ、ようやく日本も、リース会計の見直しに着手するようです。

借り手にとって、リースには2つの機能があります。運送業がつかうトラックで説明すると、トラックを買おうとすれば、自己資金を用意するか、金融機関から借金をしなければなりません。しかしリースを使えば、リース会社の審査はありますが、自己資金も借り入れも不要です。これがリースの金融機能です。

もう1つは、自己所有のトラックであれば、自賠責保険・オイル交換・車検など、めんどうな作業を自分で手配してやらなければなりません。しかしリースを使えば、これらを全部リース会社にお任せできます。これがリースのサービス機能です。

リースの金融機能が主たるものを「ファイナンス・リース」と呼び、サービス機能が主たるものを「オペレーティング・リース」と呼びます。現在のリース会計は、前者のファイナンス・リースを、固定資産として借り手が資産計上するルールです。これから開発されるであろうリース会計は、後者の「オペレーティング・リース」も資産計上しようと考えています。

そうなったらどうなるか。借り手の企業の貸借対照表で、固定資産が増えます。それと同時に将来支払うリース料全額を未払いとして、負債に計上しなければなりません(オンバランス)。資産と負債の両建てで総資産がふくれ上がります。

リースの2つの機能もさることながら、「資産・負債に計上しない(オフバランス)で済むから、リースを使っている」という会社も多いです。今回のリース会計の見直しで、すべてのリースがオンバランスになるなら、「わざわざリースは使わずに普通に買うよ」という会社が出てくるのは容易に想像できます。

リース会社は「サービス要素が強いオペレーティング・リースをオンバランスすることは実態とそぐわない」と意見していますが、国際会計基準がそうなっている以上、くつがえることは難しいでしょう。

あとは特例措置がどこまで作られるかですが、数年後には全貌が見えてくるでしょう。

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