コラム

ゴーン氏の事件の問題は何か

昨日の日産自動車のゴーン会長の逮捕は、驚きました。自身の報酬を過少に記載した、有価証券報告書(以下、有報)の虚偽記載の容疑です。さらに、会社資産の私的流用もあるようで、全容解明までは時間がかかりそうです。

報道された内容しか知りませんが、何が問題になるのか、一般論を踏まえ整理してみたいと思います。

有報の虚偽記載

2018年3月期の有報を見てみると、取締役8名(社外除く)の役員報酬総額は15億円です。このうちゴーン氏が7億円です。報道のとおり、プラス10億円支払われているとしたら、取締役の役員報酬総額25億円、ゴーン氏17億円と開示されなければなりません。金融商品取引法違反です。

株主総会の上限

取締役報酬の上限は、株主総会で定められています。日産は年額29億9,000万円以内です。仮に、取締役の役員報酬総額が25億円だったとしても、上限は超えていないので、この点は問題なさそうです。

会社資産の私的流用

報道では、住宅購入など、私的流用が数十億円もあったと言われています。もし事実なら、これは役員報酬となります。そうすると、株主総会の上限を超えていた年度があったと思われます。これは株主代表訴訟になりかねないので、残った取締役はゴーン氏に返還を求めていくはずです。(悪質なら横領として)

所得税

今の情報では7億円で所得申告したか、17億円で申告したかはわかりません。個人的には、ゴーン氏も脱税は問われたくないでしょうから、ちゃんと申告は17億円でしたのでは?と想像します。しかし、私的流用が所得とみなされるので、その分の税金は別途払うことになりそうです。

 

しかしまあ、日産ほどのグローバル企業で、こんなことが起こるなんて。また、上場企業のガバナンスが強化されそうです。

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