コラム

これから給与は上がるのか?

本を書くために、国税庁の「民間給与実態統計調査」を調べていました。

下表はここ30年間の「平均給与」の推移です。1991年にバブルが崩壊しましたが、その後も給与は上がり続けました。しかし1997年をピークに緩やかに下がり始めます。これは1996年に労働者派遣法が改正されて規制緩和されたためでしょう。

急に2009年に下がっていますが、これは2008年にリーマンショックが起きたせいです。その後は緩やかに上がり始めますが、2017年は少し伸びました。おそらく人手不足の影響が出てきたのでしょう。

こうしてみると紆余曲折はありますが、給与は大して上がっていないことがわかります。むしろバブルから見ると、派遣の増加で全体として水準は下がりました。

しかし一方で、ずっと上がり続けているモノがあります。それは社会保険です。下表は年末調整した人の「社会保険控除」(個人が払っている年間の社会保険料)の推移です。

30年前と比べると、2倍になっているのがわかります。日本は少子高齢化が進むので、これからも負担は増えるでしょう。

企業側からしてみれば、給与が上がり、社会保険の会社負担も上がり、ダブルパンチで人件費の影響がでてきます。さらに「働き方改革」です。残業に制限がかかってくるので、人手が足りない時は人を増やさなければなりません。

過去30年を振り返ると、一度は派遣で人件費を抑制して乗り切ってきましたが、これからはそうはいかないでしょう。ほんとうの意味で生産性向上が必要になってくるのは間違いありません。

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