コラム

反転180度!価値観を変える時

 よく「日本人はまじめ」と聞きます。海外だと「最低限これだけはやるように」という意味合いでマニュアルがありますが、日本だと「仕事を正しくやるために」という意味のほうが強いようです。このエピソードからも日本人のまじめさが伝わってきます。これは日本人の気質や道徳教育のおかげかもしれません。

しかし時には、この日本人のまじめさが問題となるケースがあります。一般社員の時は問題ありません。会社から与えられた仕事を一生懸命やればよいので、日本人のまじめさとマッチしています。経理部であれば正確に経理処理し、情報システム部であればシステムを安全に稼働すればよいからです。

でも管理職なるとそうではありません。ドラッカーいわく「経営管理者とは会社全体の利益を第一に考える人」です。部の業務よりも会社全体の利益を優先しなければなりません。この時に日本人のまじめさが邪魔をするのです。※ここでいう利益は、短期的な利益ではありません。中長期的な利益です。将来の会社の成長を考えたものです。

たとえば経理部であれば正しい会計処理をしようとします。部の立場としては正しいことです。しかし経営の立場でいうとコスト高につながりかねません。決算で許される範囲なら、多少正確性を犠牲にしてでも簡便で安上りなほうがよいわけです。

また情報システム部であれば安全にシステムを稼働しようとします。セキュリティ問題一つとっても企業の経営を左右しかねません。慎重にも慎重を重ねて対策したいところでしょう。しかしこれもコストに跳ね返ってきます。コストと安全の折り合いをつけるのは難しい話ですが、どこかでは線を引かなければなりません。

しかしたいがいの管理職は業務をやりすぎます。頭では会社の利益を第一に考えなければならないとわかっていても、根っからのまじめさがそれを邪魔しているのです。

ですから管理職に昇進したら180度価値観を変えることが必要です。たとえばもう一人の自分をつくって、部外者として自分の部の業務を客観的に見ます。そうやって業務にのめり込まないように心がけます。

 「業務遂行」と「利益追求」は禅問答のような話です。正解がないとわかっていても、利益追求をおろそかにすると企業は衰退してしまいます。がんばりましょう。

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