本記事は「なぜ会社は成長すると非効率になるのか」シリーズの第3回です。
■ 前回のおさらい
前回、「取引が増えたから人が増えた」という説明は本質ではない、という話をしました。
なぜなら、
- 取引が増えた
- 業務量が増えた
- 人が増えた
これは単なる現象の説明だからです。
本当に重要なのは、
「なぜそうなるのか?」
という原因の部分です。
■ 多くの会社が見ているもの
多くの会社は、こう考えます。
- 取引数が増えている
- 申請件数が増えている
- 処理が追いつかない
だから、人を増やすしかない
これは一見、合理的です。しかしここには、大きな落とし穴があります。
■ 見ているものが“浅い”
この考え方は、「表に見えている数字」しか見ていない
という問題があります。
例えば、
- 取引数
- 申請件数
- 仕訳数
これらはすべて“結果”です。
しかし本来見るべきなのは、その裏にある
「業務の作り方」
です。
■ 構造で見るとはどういうことか
ここで重要なのが、
「構造で考える」という視点です。
構造とは、
- どういうルールで業務が発生し
- どういう流れで処理され
- どこで手間が増えているか
という“仕組み”のことです。
■ 同じ売上でも、業務量は全く変わる
例えば、次の2つの会社を考えてみてください。
A社
- 3つの事業
- ルールは統一
- システムで一括処理
B社
- 100の事業
- 事業ごとにルールが違う
- Excelで個別対応
売上が同じだとしても、どちらの会社の方が忙しいかは明らかです。
当然、B社です。
■ 何が違うのか
この違いは、取引数ではありません。
違いはこれです。
- 事業の数
- ルールの統一度
- データの流れ
- 処理の方法
つまり、業務の構造そのもの
です。
■ 業務量はこうやって決まる
業務量は単純な件数ではなく、次の掛け算で決まります。
業務量 = 件数 × 複雑さ × 手作業率
例えば、
- 件数が同じでも
- 承認が3段階あれば3倍
- データ加工があればさらに増える
このように、構造が変わるだけで業務量は簡単に何倍にもなります。
■ なぜ構造が崩れるのか
ではなぜ、こうした構造になるのか。
多くの場合、原因はシンプルです。
- 事業が増える
- 個別対応で乗り切る
- ルールを統一しない
- Excelでつなぐ
これを繰り返すと、気づかないうちに “複雑で戻れない構造” ができあがります。
■ まとめ
問題は「取引数」ではありません。
本当の問題は、業務が増え続ける“構造”ができていること です。
そしてこの構造は、放っておくと必ず人を増やし続ける方向に働きます。