本記事は「なぜ会社は成長すると非効率になるのか」シリーズの最終回です。
■ ここまでのまとめ
これまで見てきた通り、経理や管理部門が増え続ける原因は、
- 取引数の増加ではなく
- 業務量の増加でもなく
「業務が増え続ける構造」にありました。
そしてその背景には、
- 事業の増加
- 管理要求の増加
- データ未整備
- Excel依存
がありました。
■ では、どうすればいいのか?
ここで重要なのは、「人を減らす」ことではありません。本当にやるべきことは、構造を変えることです。
■ 違い①:事業と業務の関係を設計しているか
増え続ける会社は、事業が増えるたびに業務もそのまま増えます。
一方で、減らせる会社は違います。
- どの単位で管理するか
- どこまで個別対応を許すか
をあらかじめ決めています。
つまり、事業と業務の関係を設計しています。
■ 違い②:データを一度で使えるか
多くの会社では、
- 基幹
- 会計
- 管理資料
とデータが分断されています。
そのため、何度も加工が発生します。
一方で、うまくいっている会社は、データを一度で使える形にしています。
- 入力は一度
- 出力は多用途
この状態を作っています。
■ 違い③:Excelを補助にしているか、主役にしているか
増え続ける会社は、Excelが業務の中心です。
- 加工
- 集計
- 管理
すべて人がやる。
一方で、減らせる会社は違います。
- Excelは補助
- 本体は仕組み
つまり、人ではなく構造で処理します。
■ 違い④:ルールを増やしているか、減らしているか
問題が起きると、多くの会社は
- チェックを増やす
- 承認を増やす
方向に進みます。これは短期的には正しい。しかし長期的には、業務を確実に増やします。
一方で、うまくいっている会社は、ルールを減らす努力をします。
- 標準化する
- 例外を減らす
- 判断を減らす
■ 違い⑤:システムを入れているかではない
よくある誤解があります。「システムを入れれば解決する」。これは半分正しく、半分間違いです。
なぜなら、設計がないままシステムを入れても、何も変わらないからです。
- 無理に合わせる
- Excelが残る
- むしろ複雑になる
これはよくある失敗です。
■ 本当に必要なもの
では何が必要か。それは、業務設計です。
- どの単位で管理するか
- どのデータを正とするか
- どこまで標準化するか
これを決めること。これがないと、どんなシステムも機能しません。
■ まとめ
経理を減らす会社と、増え続ける会社の違いは、能力でも努力でもありません。構造です。
- 人で回す会社
- 仕組みで回す会社
この違いが、時間とともに大きな差になります。
■ シリーズを終えて
このシリーズでは、「なぜ会社は成長すると非効率になるのか」をテーマに、
- 現象
- 原因
- 構造
- 解決
を順に整理してきました。もし今、
- 人が増え続けている
- 業務が重くなっている
- Excelが増え続けている
という状況であれば、それは個別の問題ではなく、構造の問題かもしれません。